サラリーマンが地方で3年間アパート経営して稼いだ金額【実績公開】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

「サラリーマンの不動産投資」というと、お医者さんが一等地に新築の区分マンションを買うようなイメージがありますね。

 

しかしその実態は、利回りが4〜6%程度で、家賃収入からローン返済と管理費・修繕積立金を差し引くと、キャッシュフローはほぼゼロに近いような投資のケースも多いようです。

 

こうした新築マンション投資は、せいぜい節税目的や老後の年金対策がメインなので、これだと不動産投資で生活していくことは絶対不可能です。

(参考)新築区分マンション投資が99%失敗するワケ【数値で解説】

 

そんな中、最近はサラリーマンが地方のアパートを融資で購入し、賃貸経営するのが流行っています。

 

かくいう私も、2014年末から不動産投資をスタートしました。現在保有している物件は11棟25世帯で、満室時の家賃年収は1700万円です。

 

今回は、地方エリアで大家さんをしている私が、中古アパートを3年経営して稼いだ金額についてリアルな数値を公開します。

不動産投資との出会い【序章】

株式投資

 

私の投資スタートは不動産ではなく、実は「株式投資」から始まりました。

 

株式投資では負け続ける日々・・・

2013年ごろ、第二次安倍内閣による経済政策「アベノミクス」により、日本の株式市場は活況を呈していました。

 

ご多分にもれず、私がネット証券口座を開設したのもこの頃だったかと思います。会社がサービス業で、幸か不幸か平日休みだったため株式トレードにのめり込んでしまいましたw

 

結論から言うと、私は相場から退場を余儀なくされゲームオーバーとなりました。株では総額100万円くらい損を出したでしょう。

その後も、少しお金が貯まったら株に手を出したりもしていましたが、「これ以上トレードをやり続けても損失が増えるだけだな・・・」と心の中では悟っていました。

 

いま思えばデイトレードではなく、インデックス投資など手堅い手法を採用していたら違っていたのかもしれませんが、当時は種銭も少なく、そんなことを考える余裕はありませんでした。

 

金持ち父さん貧乏父さんとの出会い

失意の中、ふと妻から渡されたロバート・キヨサキ氏の名著「金持ち父さん、貧乏父さん」を読む機会があったのです。

 

これが私が不動産の世界に足を踏み入れるきっかけでもあります。

 

 

本の一部を引用します。

次の部分を読んで、私の考え方は、180度変わりました。

 

中流以下の人の大半がお金について保守的である理由、つまり「余裕がないから危険は冒せない」と言って安全策をとりがちな最大の理由は、彼らの財産の基盤が整っていないことだ。だからいまの仕事にしがみついているしかない。安全な道を選ぶしか無いのだ。

 

そして、お金持ちになるためには「自分のビジネス(資産)を持て!」と書いてありました。

 

会社から得られる給料は、会社が生み出す利益から社員へ配分されています。

 

だから自分が直接お金を稼いでいる意識をなかなか持つことができません。

 

一方で、「自分のビジネスを持つ」とは、資産から直接生み出される収益で生活していくことを意味します。

 

これはまさに発想の転換でした。生きていくために、会社に所属する必要はないのです。

 

本には「資産とは、株、債権、不動産、著作権などで、自分が好きなものを選べば良い」とも書いてありました。

 

書籍で勉強スタート

このとき初めて、わたしは「不動産投資」という存在と出会うことになります。

 

最初は「借金してアパートを買うなんてリスクが大きすぎる」と漠然としたイメージがありました。しかし、書籍で不動産投資について詳しく勉強するうちに、全身を雷で打たれたような衝撃を受けました。

 

当時は、石原博光さんの本を読みつつ、アパート投資の大枠を理解しました。中古アパートならば、イールドギャップ9〜10%を取るというのは、現在でも守っている私のマイルールです。

 

 

次に、紺野健太郎さんの本を読んで、物件探しより融資が先だと痛感しました。私がノンバンクで物件を買い進めていけたのは、まさにこの本のおかげです。

 

上記の2つの本は、私の人生を変えてくれた本だと今でも思っています。

 

これ以外にも書籍を読み進めつつ、5年間のうちに地方のアパート3棟、戸建てを8棟ほど買うことができました。今では土地から新築アパートの2棟目も着工中で、順調に規模拡大できています。

 

地方で3年間アパート経営して儲けた金額【利回り・年間収支】

アパート

 

これまで購入した物件のうち一番大きな物件が、2016年に群馬県に購入した10世帯の築古アパートです。

 

こちらの物件の収支について公開したいと思います。当時はまだ私も会社勤めのサラリーマンでしたね。

 

スペックは以下のとおり。

 

  • 物件所在地:群馬県某市
  • 購入価格:3000万円
  • 間取り:1K×10世帯
  • 利回り:14%弱
  • 金融機関:三井住友ローン&ファイナンス(金利3.9%)

3年半の物件収支とキャッシュフロー

2016年4月に購入し、現時点(2019年9月)で、約3年半ほど保有しています。

 

この期間の物件トータル収支は以下のとおり。

※ざっくり概算の数値です

 

【3年半の収入】

  • 家賃収入 1290万円
  • 原状回復費(入居者より) 30万円

  収入合計:1320万円

【3年半の支出】

  • 管理費 64万円
  • 入退去に伴うリフォーム費 60万円
  • 広告料 30万円
  • 固定資産税 34万円(年8.4万×4年)
  • ローン返済 658万円

   支出合計:846万円

 

内訳は、こんな感じです。

 

収入1320万円ー支出846万円で、ざっくり474万円が3年半の合計キャッシュフローになります。

 

1年あたり135万円の手取りなので、実質利回りは4.5%くらいですね。これは私の所有物件では一番低い実質利回りになっています。

 

当初このアパートには3000万のフルローンで融資してもらいました。現在の残債は2500万円くらいになっています。元金は500万返済が進んだということです。

 

一方でローン支払い総額は658万円ですから、金利だけで400万円払っていることになりますね。改めて、高金利で借りると最初の数年間は、元金が減るスピードが遅いなと感じますね。

 

収入は730万(3年半のキャッシュフロー+元金返済)で、利支払いが400万です。まさに、レバレッジを掛けることのメリットとデメリットを両方体感しています。

アパート経営のリスク【3年半で遭遇したトラブル】

トラブル

 

アパート経営=大きなトラブルに見舞われるイメージがあると思います。

 

しかしこの群馬アパートについては大きなトラブルはありませんでした。退去部屋がかなり汚れていたり、入居者どうしの騒音トラブルが1回あったくらいですね。

 

なにより最大の問題は、最初の1〜2年、空室がすぐ埋まらず苦労が絶えなかったことです。

 

この群馬の物件は単身物件だと1〜2万円台の格安賃貸が多数あり、なかなか思うように空室が埋められなかったのが原因です。

 

また管理会社が地場の会社でぜんぜん客付け力が無かったのが痛かったです。そのことに2年目に気づいたので、今年から管理会社を変えると、稼働率は劇的に安定しました。

(参考)不動産投資におけるダメな管理会社の特徴

 

群馬アパートは利回りも所有中ワースト1位で、かつ客付けもかなり苦戦してきました。そういう意味では、けっして”美味しい物件”という感じではありません。

 

しかし、現在は空室対策もかなり自信が付いたので、私を一人前の投資家に成長させてくれた物件だと考えています。

今後のペリカンの投資戦略

戦略

 

私の今後の戦略は以下の3つですね。

 

ペリカンの戦略
  1. 売却をかませて手元キャッシュを増やす
  2. 法人でプロパー融資を引く
  3. 築古と新築をバランス良く物件を所有する

 

それぞれ簡単に触れておきます。

 

1.売却をかませて手元キャッシュを増やす

不動産投資というのは、規模拡大において「売却」が最大のポイントと言っても良いでしょう。

 

以前、「不動産投資の拡大戦略の王道ステップとは?【売却益→法人化を解説】」でも言及していますが、短期間に家賃収入が数千万、または億レベルに行ったような大家さんは、だいたい売却で大きな利益確定をしています。

 

売却益を得て、キャッシュポジションをあげることで金融機関の信用につながりますね。

 

不動産投資界隈では、キャッシュ・イズ・キングという格言があるように、あくまで「お金を持っている人」が一番強いのです。

 

「銀行は晴れたら傘を貸してくれて、雨が降ったら傘を取り上げる」と言われます。現金を持っていれば、多少担保評価割れしていても、現金で埋めることができますね。

 

2019年に入ってから、銀行は傘を取り上げ始めており、だんだん融資の扉が閉まって行きつつあります。

 

いま我々にできるだけことは、早く賃貸実績を積むことと、まとまったキャッシュを作ってことでしょう。

2.法人でプロパー融資を引く

銀行がサラリーマンに貸付できる融資金額は、2億円くらいが限界だと言われています。

 

会社員と兼業であれば、それでも食っていくことはできるでしょう。また買い増しスピードを遅らせて、現金で小さい物件を買っていくだけなら、それでも問題ありません。

 

しかし、規模を5億、10億と増やしていく夢を描くなら、絶対に「法人化」は必須ということになります。

 

私が昨年から合同会社を立ち上げたのも、将来を見据えてやっておくべきだと思ったからですね。法人でプロパー融資を引くのも、最低でも2期〜3期の確定申告の実績が求められるケースが多いですね。

3.築古と新築をバランス良く物件を所有する

現在のペリカンは、築20〜30年台の築古アパート・戸建てを中心に投資しています。

 

昨年から徐々に新築系にもシフトしており、2棟ほど新築アパートを購入しました。

 

新築は利回りがそこまで高くないので収益性は低いのですが、長期保有することができることと、なにより銀行が融資しやすいという最大のメリットがあります。

 

投資効率や減価償却費など考えても、築古と新築をバランスよく持つことが、もっとも効率がよく拡大できると考えています。

これから不動産投資をする初心者が注意すべきこと

注意点

 

これから不動産投資をスタートする人は、次の点に留意してほしいと思っています。

 

  • 不動産投資=不労所得や財テクの手段ではない
  • 物件購入時に勝負は9割がた決まる
  • 投資家によって「最適な手法」は変わる

 

長くなってきたので、簡単にまとめておきます。

 

不動産投資=不労所得や財テクの手段ではない

結局、不動産投資は「投資」と書きますが、実際は「賃貸事業」の側面が強いです。

 

空室になればリフォームして必死で埋めて、トラブルがあれば対応方法もすべて判断しなければいけません。

 

これは米国ETFや先進国株式などのインデックスファンドを、毎月買っていくようなインデックス投資とは一線を画すということですね。

 

株や債券などは、自分が決めたルール(金額・頻度)で買っていくことができます。また売りたいときは、クリックひとつで売ることができます。

 

しかし不動産は同じものが2つありませんし、いつ物件が出てくるかも分かりません。売りたくても、融資情勢などにより売れるかどうかも未知数です。

 

こうした不確実要素を楽しみながらやっていく覚悟が必要となります。不労所得や財テクではないということですね。

(参考)不動産投資が不労所得ではない理由

 

物件購入時に勝負は9割がた決まる

シンプルに、苦労する物件を買うとかなりキツくなるのが、不動産投資の特徴でもあります。

 

買うのは一瞬ですが、経営するのはその後ずっとつづきますからね。実際は、家賃収入があるので、なかなかローン返済に窮するというケースは少ないです。

 

しかし、家賃収入からローン返済・税金などを引くと「退場にはならないけど、ほとんど儲かっていない」というケースは起こりえます。

 

最終的に、ローン完済すれば土地は残るのでプラスにはなりますが、その間20〜30年はただ苦労する日々です。

 

割高に買ってしまうと、売るに売れないため、中途半端なラインで妥協して買わないことを強くオススメします。

投資家によって「最適な手法」は変わる

本屋さんに行けば、不動産投資の本は山ほどありますが、まさに玉石混交です。

 

成功した不動産投資家も、その人の資金背景や融資情勢に影響されていることが大いにあります。

 

ですから、書籍を読むのも、本当に成功している大家さんがオススメしている王道の書籍を読むなどしないと、変な知識を元に投資ロジックを組み立てているケースがあります。

 

間違ったロジックを建てても、絶対に良い結果は出ません。またその人の属性や自己資金、ストレス耐性によっても買うべき物件も変わってきます。

資金余力のある人は思い切って1棟買って、やりながら知識と経験を磨いていくのもアリです。

 

不動産投資は、最初は大変ですが知識と経験が身につくと、だんだん「手札」が増えていきます。

 

手札が増えると、不慮の事態に直面しても、だんだん切れるカードが増えていくので、精神的に楽になります。そのためには諦めずコツコツ続けることが大切で、それが規模拡大とお金に縛られる人生からの開放につながっていきます。

 

以下、関連記事です。

 

▼高利回りは魅力がありますが、築40年くらいになると再生の難易度がかなり高いです。

 

▼戸建て投資は、小ロットでできるので初めての人も取り組みやすいですね。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事