不動産投資はババ抜きか?【金の卵を産むニワトリを掴むための心得】

こんにちは。ペリカンです。 

 

さて、本日のテーマは「不動産投資はババ抜きなのか?」です。

 

不動産投資では、家賃下落や修繕、最後の出口など考えることが沢山なのですが、「表面利回りが低くて、出口も厳しい」というダブルパンチを受けている人が結構いらっしゃいます。

 

というわけで、今回はアパート3棟・戸建て8棟を運営する筆者が思う「ババ物件」について、その特徴を挙げてみたいと思います。

 

これから不動産投資をスタートする方のご参考になりましたら幸いです。

不動産投資における「ババ物件」とは?

ババ物件

 

シンプルに「ババ物件」を定義すると、以下4つです。

※これ以外にもありますが、この4つが初心者が一番陥りやすいワナです!

 

  • 新築ワンルームマンション
  • 新築の建売り1棟アパート
  • 残耐用年数の少ない地方の大型RC・重鉄
  • 築古で利回り10%前後の地方アパート

 

以下、それぞれ解説していきます。

 

新築ワンルームマンション

普通のサラリーマン(年収400〜600万くらいの人)でも融資で簡単に購入できてしまうのが、新築ワンルームマンションです。

 

利回りは4〜6%くらいで「節税対策」「老後の年金の足し」という、よくあるセールストークですね。

 

家賃からローン返済と修繕積立金を払うと、毎月プラマイゼロになることが多く、酷い場合は毎月1万円くらいのキャッシュアウトを伴うこともあるようです。

 

こうした物件を30年〜35年融資で購入すると、ローン返済後に残るのは「築30年のただのワンルーム」だけです。

 

一番のデメリットは以下ですね。

 

ワンルームマンションを住宅ローンで買う人は少数ですから、売却時には投資家に売るしかありません。

 

築30年では立地がまあまあの場所でも賃料が5〜6万円でしょうから、利回り10%で売るなら600〜700万円でしか売れませんよね。

 

この新築ワンルームも、購入当初は2000万〜2500万前後するので、30年掛けて価値毀損する部分を、自分がローンを組んでわざわざ返済しているようなものです。

 

最後は600万くらいで売れるかも知れませんが、30年間のあいだに毎月5千円〜1万円キャッシュアウト、所有中の修繕や、売却時の諸費用も考慮すると、ほぼ利益は出ないという、詐欺的なカラクリになっています。

 

この投資で儲けられる人は、アベノミクス前に買って、不動産バブルの2015年〜2017年くらいに、高値で売り抜けできた人だけです。2020年以降のマーケットで買った人は、売るのになかなか手こずると思います。

 

新築の建売り1棟アパート

2つ目は、新築の建て売りアパートですね。

 

以前、楽待さんが新築1棟アパートで失敗した事例について、動画配信していましたね。

 

 

 

現在、新築アパートで成功されている投資家さんは、都心部なら利回り8%以上、地方なら9〜10%前後に持っていけるスキルのある人だけです。

 

新築1棟アパートは家賃下落によりどんどん利回りが下がる投資です。ですから、スタート時点で利回り6〜7%前半くらいで建て売りアパートを買おうとしている人は、かなり慎重に投資したほうがいいでしょう。

 

「ほぼフルローンに近い形で、35年融資が引けます!」というよくあるセールストークで購入してしまう人が跡を絶ちません。これも先ほどの新築ワンルームと同じで、35年掛けて毀損している価値を、オーナーが頑張ってローン返済しているだけです。

 

10年目以降は、多くの場合は家賃見直しで下がっていきますので、最終的な利回りは4〜5%くらいになるのではないでしょうか。経年で建物は古くなり、設備が壊れ、キャッシュフローもジリ貧なること間違いなしです。

 

 新築アパートの利回りごとのキャッシュフローの厳しさについては、以前の記事「【新築アパート】利回り7%、8%、9%の手残りの違いとは?」で、わかりやすく解説していますので、しっかりとご確認してみてください。

 

残耐用年数の少ない地方の大型RC・重鉄 

いまだに地方で築30〜40年くらいの大型RCや重鉄系のマンション・ビルなどが利回り10%くらいで売られていますが、これもババ物件になる可能性が高いです。

 

地方RCなど、大型物件の最大のデメリットは、次に買う人の融資がつきにくいということです。

 

とくに耐用年数が残り少ない大型マンション(築35年〜40年超など)は銀行融資が付きにくく、かつロットが大きすぎて現金買いしてくれる、投資家さんも期待できません。

 

木造で1000万〜3000万くらいのアパートなら、キャッシュ購入できる投資家や法人がいますので、なんとか逃げ切れるかもしれませんが、5000万円以上のロットになってくるとそれも厳しいですね。

 

ですから基本は持ち続けながら、家賃収入を得るしかないのですが、大規模修繕(配管工事・屋上防水・外壁塗装)なども、数千万単位で掛かります。

 

古い地方エリアの大型物件(5000万円以上の物件)は、リスクが大きい。

 

上記は事実です。

 

出口がないのですから、大幅に値段を下げて損切りしなければいけません。

 

一時期、光速投資法というRCを買い増していく手法が流行りましたが、不動産価格が下がっていくこれからの時代には、まったく合わない手法になりつつあります。

 

築古で利回り10%前後の地方アパート

地方の築古アパートでいまいちな利回りなのに買う人がけっこういます。立地にもよりますが乱暴に言ってしまうと、利回り9%〜10%くらいの地方アパートです。 

 

私の知り合いで築古アパートをうまく運営している大家さんだと、最低でも12〜13%の利回りの物件を購入し、金利で2〜3%台を取られても手残りが9〜10%確保できるようにローンを組んでいます。

 

持たざるものが勝ち上がるには、「築古×高利回りアパート」は王道ですが、表面利回りが10%程度の築古アパートを買わないように注意しましょう。できれば12%前後を狙えることが最低条件ですね。

 

もちろんサラリーマンを辞める予定もなく、土地値比率が非常に高く、サラリーマン給与からガンガン繰上返済して一気に完済してしまう算段なのであれば、しっかりと狙いがあるので問題ありません。

金の卵を産むニワトリを掴むための心得

金の卵を産むニワトリ

 

最後に、「金の卵を産むニワトリを掴むための心得」について筆者の見解です。

 

以下の3つに絞って、お伝えします。

 

  • 最初はキャッシュフローが出る物件を選ぶ
  • 家賃収入の回収と出口価格をイメージする
  • とにかく時間を掛けて良い物件を探すこと

 

最初はキャッシュフローが出る物件から入る

最初は、キャッシュフローがしっかり出る物件を選ぶことが大切ですね。資産性も大切ですが、利回りが低すぎて、返済カツカツだと意味がありません。

 

ただし、融資で長期ローン(20年以上など)を引く場合は、毎月の家賃収入に対するローン返済比率が50%を超えないようにするのが良いでしょう。

 

短期ローンなら問題ありませんが、長期で借り入れしているのにも関わらず返済比率50%を超える場合は、割高な水準で買っていることがほとんどです。購入時の利回りが低いから、こういうことになります。

 

もちろん手元現金が少ない場合は、長期で組んでキャッシュフローを優先しなければ、投資拡大できないのは事実です。

 

ただしその場合も、返済比率50%を超えないようにして、超えた場合は次は小さい物件(戸建てや区分マンション)をキャッシュで買うなど、全体で返済比率のバランスを適正にもっていくのが良いですね。

 

全体の返済比率さえしっかり意識すれば、ある程度長期ローンでリスクを背負っても、現金がガンガン溜まっていくメリットの方が大きくなって、リスクより効用が上回ります。

 

とりわけサラリーマンリタイアを一番の目的とする人は、キャッシュフローをとにかく追求していきましょう。

家賃収入の回収と出口価格をイメージする

よっぽど激安で買わない限り、購入価格<売却価格、になることはないと考えましょう。

 

とくに以下のようなシミュレーションが非常に大事ですね。

 

例えば、10年後に利回りから逆算して、いくらなら売却できる。その間に回収できる家賃収入がいくらで、修繕費・税金を払っても、利益として◯◯円程度は残る。

 

こういうシナリオを丁寧に考えることが必要です。

 

結局、朽ちるまで所有するという人は少数派ですから、どこかで売ることを考えるなら「売却価格」をあらかじめ想定しておくのが、ものすごく重要です。

 

こうしたシミュレーションってかなり基本なのですが、やっていない投資家さんが結構います。みなさん感覚で買っているのですよね。

 

とにかく時間を掛けて良い物件を探すこと

最後は精神論ですが「諦めないこと」です。当たり前すぎる結論ですが、これが重要です。

 

物件を探し続けていくと、だんたん目も肥えてくるのですが、大半の人はその途中で探すことをやめます。

 

不動産というのは同じ商品は2つとありません。ですから、物件を探すまでが一番しんどいのです。

 

逆に利益が着実に出る物件が買えれば、それはお宝不動産になります。もう本当に売りたくないほどよい物件というのは、たまに見つかります。

 

厳しい言い方になってしまいますが、物件検索で挫折する人は、残念ながら不動産投資には向いていません。そういう人はおそらく、金融マーケットなどで、定期的に株とかを買っていく方が合っているでしょう。

 

これはどちらの投資が良い悪いという話ではなく、向き不向きの問題ですから、自分に合う投資法を選ぶことが一番大切だと思います。苦痛なことをやっていても、人生楽しくないですからね。

 

シンプルに言ってしまうと、1年に1棟ずつ、間違いのない物件を買っていくだけでも十分ですね。ぜんぜん焦る必要はありません。着実に人生を変えていく努力をしましょう。

あとがき

サラリーマンリタイア

 

私はサラリーマン時代は手持ちのお金も少なかったので、そんなナケナシの貯金を運用しても、得られるリターンには限界がありました。

 

そこで「他人の資本を活用して投資拡大できる」のが、唯一不動産投資でした。少ない自己資金でも、大きな投資ができるチャンスのある不動産には、非常におおきな魅力を感じたのを覚えています。

 

不動産というのは、相対取引なので、ときに思わぬ安さで買えることがあります。

 

そして、一度購入した物件からは安定した家賃収入を毎月得られるので、精神的にとても安らかになります。

 

私にとっては、まさに不動産=「金の卵を産むニワトリ」だったわけです。

 

もちろん色々な失敗も経験してきましたが、控えめに言っても自分の人生が大きく変わったので、不動産にはとても感謝しています。

 

この感動をより多くの人に伝えるために、弊ブログを書いています。そして最愛の家族にとって、私がいなくなってもこのブログがノウハウとして残ると思って、続けています。

 

というわけで今回は以上となります。

 

不動産投資をするなら、ババ物件を避けて、負けない物件を選びましょう。

 

以下、関連記事です。

 

▼5年でサラリーマン卒業を目指す不動産投資法です。時代は変われど、この手法が王道だと思います。

 

▼属性の低い普通のサラリーマンでもノンバンクを使うことで効率的に規模拡大していくことができます。

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