こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。千葉県で専業大家さんをしており、10棟ほど賃貸経営しています。
最近、高属性のサラリーマンが利回り7%くらいの新築木造アパートを買うケースを、よく耳にします。たしかに、業者さんから紹介される建て売り新築アパートは、だいたいそのくらいの利回りです。
しかし、新築アパートだと、はたしてどのくらいの手残り(税引前キャッシュフロー)が出るのでしょうか?そして、我々が狙うべき新築アパートの収益性とは、一体どの程度なのでしょうか?
今回は、色々な利回りで計算してみましたので、ぜひ今後の投資の参考にしてくださいませ。
新築アパートのキャッシュフローはどれくらい出るのか?
まず前提条件としては以下ですね。
- 構造:木造アパート
- 金額:6000万円(6世帯)
- 融資期間:30年
- 金利:2.3%
- 金額:フルローン(諸費用のみ自己資金)
- 運営費:15%(管理費・固都税・火災保険・リフォーム代等)
- 空室率:5%
首都圏だと、6000万円前後の新築アパートの売出し情報をよく見るため、上記前提にしてみました。
融資条件として、金利2.3%で期間30年というのは、サラリーマンが利用しやすいオリックス銀行を想定としています。
(参考)【オリックス銀行】不動産投資ローンは年収500万以上で築古にもOK!
上記にて、計算してみます。
利回り7%の新築アパートの手残りについて
利回り7%の場合の手残り(税引前利益)は、ざっと以下のようになります。
- 家賃収入 420万
- 空室損(5%) 21万
- 運営費(15%) 63万
ーーーーーーーーー
- ネット収入 336万
- ローン返済 277万
ーーーーーーーーー
- 税引前利益 59万
以上のとおりです。
家賃収入が420万円で、ローン返済が年277万円だと、143万円ほど手残りが出ると思うかもしれませんが、実際は、入退去ごとのリフォーム代が掛かったり、固定資産税、火災保険料などの運営費を厳密に計算すると、最終手残りは59万円ほどにしかならないのですよね。
利回り7%程度では、非常に厳しい現実が待ち受けていると言わざるをえません。
では、利回りが8%になるとどうなるでしょうか?同じ様に計算してみます。
利回り8%の新築アパートの手残りについて
利回り8%の場合は、以下のようになります。
- 家賃収入 480万
- 空室損(5%) 24万
- 運営費(15%) 72万
ーーーーーーーーー
- ネット収入 384万
- ローン返済 277万
ーーーーーーーーー
- 税引前利益 107万
以上のとおりです。
たとえ利回り8%でも、毎月キャッシュフローは10万円も出ません。まだまだ心もとないレベルと言えるでしょう。
その証拠に、上記シミュレーションではローン返済比率は57.7%となっています。
ですから、もし6000万円の物件に対して、頭金1割(600万円)入れることができれば、年間キャッシュフローは135万に、頭金を2割(1200万円)ほど入れることができるなら、年間キャッシュフローは163万円にUPさせることができます。
おまけ:利回り9%の新築アパートだとどうなる!?
私の知り合いの大家さんで「土地から新築アパート」を建てている投資家さんは、利回り9%くらいを目標にしているようです。ざっと計算してみます。
- 家賃収入 540万
- 空室損(5%) 27万
- 運営費(15%) 81万
ーーーーーーーーー
- ネット収入 432万
- ローン返済 277万
ーーーーーーーーー
- 税引前利益 155万
ただし上記はフルローンですので、実際は頭金1割〜2割ほど入れて買っているようですね。
ですから実際は頭金1割だとキャッシュフローは年間183万円、頭金2割だとキャッシュフローは年間211万円となります。
投資額(6000万円)対して、最終の手取り率は3%〜3.5%程度になっているので、わりと良い水準と言えるのではないでしょうか。
おわりに:新築アパートの購入条件について
まとめると新築アパートは、以下の2つの条件を揃えることをオススメします。
- 利回りは8%以上出ること
- 自己資金を1〜2割程度入れること
この条件であれば、そこそこ健全な運営ができると言えるでしょう。もちろん金利は2%台ではなく、1%台に落とせれば尚良しですね。返済期間は、できれば22年〜25年に設定したほうが、売却時に残債が減りやすいので、出口が楽ですね。
ただし新築時の収益性が良くても、「1部屋あたり20平米未満」「駅から徒歩15分以上」など、入居付けに苦戦するものや、利便性を犠牲にしたアパートも沢山売り出されているので注意してくださいね。
そういった物件は建物の経年とともに、どんどん家賃が下落し、10年も経つとかなり利回りが下がっていきます。その結果、アパートを売却したくても、ローン残債が消えるレベルで売れなくなることもあります。
新築アパート投資をこれから検討されるサラリーマンの方は「融資が付くから買う」というのは危険です。
ぜひ何度もシミュレーションを自分でやってみて、納得してから購入するようにしましょうね。
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