閑散期の空室対策!2ヶ月で空室を埋めた不動産投資のストーリー

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。アパート3棟、戸建て8棟の賃貸経営をしています。

 

高金利で有名な、スルガ銀行の抵当が付いた物件が、競売にかかってきているそうです。おそらく高属性のサラリーマンが、利回りの低い物件を高金利の融資セットされた物件を購入したパターンでしょう。

 

徐々に空室が増加したことで、サラリーマン収入からの補填ができず、最後は破綻してしまったようです。空室対策のスキル・経験のまま物件を購入してしまうことの危険性を改めて感じます。

 

というわけで今回は、空室対策の大切さと閑散期でもしっかりと空室埋める方法について、私の7年間の賃貸経験から解説してみたいと思います。

 

アパートの空室に悩んでいる大家さんの参考になれば幸いです。

空室対策の大切さとは?【満室は最強です】

そもそも不動産投資・賃貸業というものは、満室または高稼働状態がキープできれば儲かる前提で購入するのが一般的です。

 

先ほどのスルガ銀行案件も、高稼働が続いていれば手放す必要はなかったのかもしれません。返済比率が高くても、「満室」なら耐えられたはずです。

 

しかし有名大家さんの書籍でも、購入手法の話しやサクセスストーリーは豊富に書いてありますが、「空室対策」について深掘りをした書籍は、まだ少ない印象です。

空室対策を制するものは不動産投資を制す

群馬アパート

 

今回は、私の所有物件の実例から、実際に空室対策でやっていることを共有します。事例は、私が所有する群馬県にある築古アパートです。

 

今年の夏(8月、9月)に2か月連続で空室が出てしまいました。夏と言えば、閑散期の真っ只中であり、2部屋というのも苦労するポイントです。

 

管理会社からは「このエリアは、春の繁忙期でなければ最低でも半年は空室になりますよ」と脅されていました。しかし募集開始から約2ヶ月。2部屋とも、無事お申込みが入りました!

 

私にとってはこのアパートの初の退去だったことから、ゼロからの客付けでした。というわけで今回は、私がどのように空室対策をしたのかについて実際の手順を公開していきます。

まずは空室対策の目標設定をしよう!

まずは目標設定ですね。私の空室対策における目標は、シンプルで以下のとおりです。

 

  • 戸建は1ヶ月以内に埋める
  • アパートは3ヶ月に埋める

 

これは「リフォーム完了から募集スタートして、お申込みを頂くまでに掛かる時間」です。繁忙期であろうと、閑散期であろうと関係ありません。常にこの基準を目標にします。

 

そして高稼働(できれば満室状態)を常時、達成しています。だいたい私の年間稼働率は95%です。大規模にやられている大家さんの中には、年間稼働率が90%を切る人もいますが、所有戸数の多さでリスクをカバーしているケースが大半です。

 

私のような規模(20〜30世帯ほどの運営)だと「満室は当たり前」でなければいけないと考えています。合理的な判断をしてコツコツ努力をすれば、地方であっても稼働率95%は可能です。

実例紹介:物件スペックとリフォーム手法について

お部屋の間取りは1Kタイプです。町の人口は20万人程度。バス・トイレ別で、10帖の広さがあることが強みになっています。

 

駐車場は全戸1台完備で、徒歩圏でドラッグストアとスーパーがあります。市内では人気エリアはではありませんが、利便性は悪くない立地です。

 

リフォーム前はこんな感じのお部屋でした。よくある「ホワイト物件」です。ホワイト物件とは私の造語ですが、壁紙もキッチンももトイレもお風呂も真っ白です。清潔さはありますが、特色は何もない仕様ということになります。

 

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8月のお盆前に退去したお部屋は、8月末にリフォームが完了しましたので先行で募集開始。9月頭に退去したお部屋は、9月末頃にリフォームが完了し募集スタートしました。

 

リフォームは、いつもアクセントクロスを入れますが、2部屋とも雰囲気を変えました。どちらが反響が多いのか見るためです。リフォーム後はこんなお部屋になりました。

 

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2部屋で色味を変えることで、客付け会社は2通りのバリエーションを内見者に見せることができます。内見者には、好きな方を選んでもらって、入居してもらえれば良いと考えました。

仲介会社(管理会社)の選び方について

まずは「◯◯市 賃貸」などワードで検索して、検索結果からSEOが強くなっているポータルサイトのチェックを行います。このエリアでは、以下の順位でした。

 

  1. SUUMO
  2. HOMES
  3. CHINTAI
  4. いい部屋ネット
  5. アットホーム

 

まず最初に考えたことは、管理会社が地場の会社で客付け力があまり強くなかったので、大手FCの仲介店に追加で募集依頼することです。

 

その際、この上位5つのポータルサイトを網羅して掲載することが非常に重要になります。SUUMOは載せているけどHOMESは載せてない仲介会社とか、CHINTAIと自社HPしか掲載していない仲介会社などもあるので、100%すべてのサイトに漏れなく掲載します。

 

またSUUMOは、だいたいどこのエリアでも強いので、魅力的に写真や広告文が掲載されているか特に力を入れてチェックします。

 

今回はミニミニ、ハウスコム、アパマンショップ、ホームメイトの4社にお願いしました。その後、隣県の前橋市へ通勤している人もいることを小耳に挟んだので、エイブル前橋店も追加しました。

家賃設定とAD(広告料)のコツについて

SUUMOを見ると、このエリアで単身用物件(ワンルーム・1K・1DK・1LDK)で、「駐車場あり・バストイレ別」で絞っても、3700件以上の物件が出てきます。

 

もちろん、これには築古〜新築物件まで様々な価格帯の物件があるので、ターゲットは細分化されていますが、かなりの競合の数です。この中から選ばれなければいけません。家賃が1万円台の物件もあり激戦になっています。

 

AD(広告料)については、私が群馬まで赴いて仲介会社と直接交渉しました。結果、1ヶ月〜2ヶ月と仲介店により変えています。

 

また低価格帯の家賃のアパートだと、総じてお客様の初期費用を安くすることが大切だということが分かったので、すぐに【敷金礼金ゼロ・仲介手数料ゼロ・フリーレント1ヶ月に切り替えました。

 

これをポータルサイトの告知文でもPRしたことで、問い合わせがパラパラと出始めたので、かなり効果があったと感じています。

 

基本は、家賃を下げるのは最後です。フリーレント1ヶ月付けても、家賃が2千円アップするなら、3万円の家賃なら1年ちょっとで回収できます。長く住んでいただくことを前提にすると、家賃を下げるとロスが大きくなります。

販促方法のポイントについて

募集を出しているけど、反響がないケースは多々あります。通常は、待っているうちに1ヶ月、2ヶ月と時間だけが過ぎていきますので、大幅な機会ロスにつながります。

 

この群馬アパートでも、閑散期ということもありなかなか内見が入りませんでした。そこでジモティーというサイトで、自分で広告を出してみました。ジモティーは、中古品の売買や「譲ります」みたいな広告がたくさん出ていて、賃貸情報も掲載されています。

 

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ジモティーの良さは無料の掲示板であるということです。デメリットとしては、不動産屋さんで保証会社が通らない低属性の方の問い合わせが頻発します。

 

実際私も広告を出すとすぐにお気に入りが付いて、問い合わせも来ますが、だいたいが「初期費用はいくらですか?」みたいな問い合わせばかりです。回答しても返信がないとかも日常茶飯事です。属性が低く、内見に至る確率が低いのが特徴です。

(参考)ジモティーによる空室対策は苦労が多い件【決まる物件の作り方】

 

最近はウチコミという自分で広告して、内見案内は仲介会社がしてくれるとても便利なサイトも出てきています。

 

以前の記事「ウチコミを活用した空室対策【問い合わせを1.5倍に増やした方法】」で詳しくご紹介していますので、ご興味のある方はぜひ参考にしてくださいね。

お申し込みに至った「販促チャネル」とは!?

今回、9月から本格募集して、10月中旬に1件、11月頭に1件お申込みが入りました。

 

家賃は最初高めに出していましたが、閑散期であることから、相場より2〜3千円低くして、お客様負担の初期費用もゼロにしたことが一番効きました。

 

2ヶ月間の問い合わせ状況はこんな感じです。

 

  • SUUMOからの問い合わせ2件
  • 仲介店での店頭紹介2件
  • ジモティーから問い合わせ7件

 

ジモティーは7件中、マトモな属性で内見希望があったのは1件だけでした(←結局はこの方が内見する直前にお申込みが入ってしまい募集停止しました)。

 

最終的には「仲介店さんの店頭での紹介・誘導」で2件とも決まってしまいました。賃貸の動かない時期は、ポータルサイトからの問い合わせがほとんどないので、店頭紹介も有効だということを実感しました。

まとめ

広告料は1ヶ月以上受け取らない仲介店さんもいますし、管理物件でないと力が入らない不動産会社もあります。

 

ここは仲介店に合わせた柔軟なインセンティブづくりが大切になってきます。今回、お申込みをいただけるに至った成功のポイントは、以下の点に集約されます。

 

お申し込みをもらえた秘訣!
  • 強いポータルを中心に漏れなく掲載
  • 写真は一番見栄えのするもの使用
  • 家賃を相場より2〜3千円低くした
  • 広告料を1.5〜2ヶ月と多めに提示した
  • お客様の初期費用負担を最小限にした

 

どれも不動産投資の本でも紹介されていることで、不動産投資家の人は誰でも知っていることです。しかし、これらを高い精度でやることが何よりも大切になってくると考えています。私もいつも自分自身に言い聞かせています。

 

人間なので、「もうちょっと高い家賃が取れるのではないか?」とか「この仲介店は対応が悪いから頼まないでおこう」とか、感情に左右されることもあります。そこは冷静に考えて、賃貸事業者として、合理的にやるべきことを愚直にやらなければいけません。

 

判断のポイントはすべて数値で行う」のが基本ルールです。

 

このように初めてのエリアでの入居付けは労力が掛かる面もありますが、回数を重ねるうちに慣れていくと思います。また一度仲介してもらえれば、仲介店内での物件認知も広がりますし、次回の募集からは同じ募集広告や写真を使いまわせるので、だいぶ楽になっていきます。

 

以下、関連記事です。

 

▼管理パートナー選びは賃貸経営の生命線です。会社選びを間違えると、長期空室を余儀なくされます。

 

▼大家さんが自分で賃貸募集する方法のまとめ記事です。

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