
私は30代で思い切って、脱サラしてしまいました。これもすべては所有している不動産が毎月安定したキャッシュフローを稼いでくれるからです。
今日は「脱サラ」について色々思うところを書いてみようと思います。
チャレンジする気持ちはどんどん無くなる
「いつかは脱サラして自分の会社を立ち上げたい!」
こんなふうに思っている人は結構多いのではないでしょうか。20代で脱サラできるだけの才能があれば素晴らしいことですが、一般の人では20代というのは就職したばかりでスキルや経験がぜんぜん足りていません。
そういう意味では30代〜40代というのが、一番経験も積んできて、かつ体力・気力も充実してくる年代なのではないかと思います。たとえ、起業して失敗しても60代まで働くとすれば、まだ20〜30年もありますから、取り返しも効くでしょう。
一方で、50代ともなると、あと10年程度で会社員人生も自動リタイアになってしまうので「これからどんな夢を描くか?」という思考ではなくなります。
おそらく「残りの会社員人生を如何に問題なく送るか?」「老後の人生やお金をどうするのか?」というマインドになって、チャレンジ精神は無くなるでしょう。
サラリーマンの功罪
一生サラリーマンとして働いて定年退職した後は、60代後半くらいから悠々自適な生活を送る人生が世の中の大半です。
会社が急に倒産でもしない限り、サラリーマン人生というのは、継続性が担保されたもののように感じてしまいます。
会社人生において、いろいろ大変な仕事もありますが、毎年、上からの経営目標や指示がしっかりと降りてくるので苦しいけれど楽なのもまた事実、なのです。
しかしサラリーマンというのは、高給取りのように見えて実は残業代が多いだけだったりします。長期的には自分の成長につながることもあるでしょうが、それは楽しくない嫌な仕事をしたことの対価であり、40代以降ともなると会社内での学び自体が少なくなり、刺激が無くなっていきます。
サラリーマン人生というのは、会社に忠誠を誓い貢献する代わりに、一定額の給与が保証されるシステムです。したがって枠組みの中のルールに従い、まわりの社員と歩調をうまく合わせながら、会社の為になることをひたすらやっていかならければいけません。
脱サラ起業における3つのリスク
私が脱サラして大変だったことは主に3つありました。
まず一つ目は「お金のリスク」です。収入が常に一定ではありませんから、給与が約束された会社員より、精神的に辛くなることもあります。売上減少は、実生活にダイレクトに影響します。しかし、がんばって取り組んでいると神様は見ていてくれるものです。私もがんばっていると、自ずと結果がついてきたことが幾度となくありました。
2つ目は「突発的な出費」です。私の場合は、不動産を生業にしているので、急な空室や修繕費はどうしても発生します。ある程度、事前に想定はしているのですが、想定外のケースになることもあります。
問題が発生したら、如何に費用を最小限にできるかということを理詰めで考えていかなければいけません。日々こうした問題解決をしていると、リスクへの対応能力は確実に磨かれていくのも事実です。
最後は「税金」です。私のやっている不動産賃貸業では、減価償却費というのがあります。これに売上をコントロールをしつつ、税金もコントロールできてしまいます。
そういう意味では、不動産投資は収入の低い個人事業主がソフト・ランディングするには効果的だと考えています。
これがもし単一のネット事業だと大変です。なぜなら、経費が少なくなりがちなネット事業では売上が大きくなると、税金(所得税・住民税・社会保険料)が膨大になります。
事業をしていく上で、売上を伸ばすのは攻めの経営ですが、節税することは守りの経営です。この攻めと守りの両輪が重要になってくるわけですが、売上だけが上がれば成功すると思っている人が、多すぎるのが現実です。
早めの副業スタートが道を拓く
将来起業を夢見る人は、サラリーマンとして社内で何らかの結果を出したり、一定の成功おさめることも有効だと思います。そしてサラリーマンで働く中で、副業を早めの段階からスタートするのは合理的な選択でしょう。起業をするなら、30代・40代がベストではないでしょうか。
会社の中がルーチン業務ばかりで、仕事があまりおもしろくないと感じている人は会社の外で副業してみましょう。たとえ副業禁止であっても、両親が既にリタイアしていたり、奥さんがパート社員や育休中なら、家族名義でビジネスを始めるのも一考に値します。
何事も始めなければ、永遠に始まりません。サラリーマンの本業を頑張りつつ副業でも結果を出せるようになると、両者は相乗効果も出てきます。20代、30代の早いうちから副業をスタートすれば、起業して食っていける確率も格段に上がっていきます。
おわりに
私が脱サラしようと思ったきっかけは副業で不動産投資をやり始めて少しずつ結果が出始めたことというのもありますが、一番は「知人の他界」でした。知人と言っても、私よりだいぶ先輩で、私の先生みたいな人です。
私が大学時代に、その人はまだ40代でしたが、著書をたくさん書かれていて内容にも感銘を受けていました。そこで私は大学の仲間と一緒に、ナケナシのお金をかき集めて大学に講演に来てもらったりと親交ができました。彼の発言や著書から沢山の影響を受けていたので、私にとっては恩師のような存在でした。
しかし彼も癌になり40代という若さでこの世を去りました。彼は、ビジネスでも一定の成功をおさめていたので素敵な人生だったと思いますが、残された奥さんやお子さんもいましたから、世を去る直前は辛かったことでしょう。
私にとって、彼の他界は「人生一度きり」ということを強烈に認識した体験でした。それからというもの、私も自分の人生にやり残しが無いように、多少危なっかしくても精一杯チャレンジして悔いがない人生にしよう、と強く思うようになりました。
▼早期退職するための必要貯蓄額のシミュレーションです
▼私のセミリタイア後の生活リズムを赤裸々に公開しています
▼思い立ったが吉日というのは投資にも同じことが言えます。ただしリスクを正しく認識して、負けない物件を買わないと、不動産投資の世界では生き残っていけません。