個人名義で不動産投資をするデメリット・注意点とは?

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。大家業を専業で7年ほどしています。

 

収益不動産を買うときに、個人名義と法人名義どちらで購入するのか迷う人は多いと思います。なぜ、こういう疑問が起こるのかというと、「手残りをできるだけ増やしたいから」ですよね。

 

ちなみに私は、最初の3年は個人で買い進めましたが、このままでは税金がヤバいことになると気付いて、その後は法人購入にシフトしました。

 

いま思えばもっと早く法人を設立しておけばよかったと思います。

 

理由は、個人名義で物件を買っていくと、税金(所得税・譲渡所得税)が大きくなるからですね。また、個人には融資上限額があるので、これから規模拡大をどんどんしていく人にも、あまり向きません。

 

以下、個人名義で不動産投資をするデメリットと注意点について、私の経験もまじえて解説してみたいと思います。

1.減価償却が切れると「所得税」が跳ね上がる!

税金の計算

 

私が不動産投資をスタートしたのは、会社員時代でした。その時の戦略は、以下です。

 

高利回りの木造アパートをどんどん買い増して、減価償却を4年の最短で取って、所得税還付を狙う。

 

実際、5年目まではこの戦略がハマり、毎年狙いどおり赤字決算となり、所得税・住民税をゼロにすることができました。

 

しかし、その後、脱サラして賃貸経営を大きくしていく中で、次の3つの問題に直面したのですよね。

 

直面した問題とは?
  1. 減価償却が切れると所得税・住民税が跳ね上がった
  2. 赤字決算だったので、金融機関からの評価が低くなることがあった
  3. 不動産を売るときに「売却益」が大きくなり税金が大きくなった

 

以下、それぞれ簡単に触れていきます。

 

1.減価償却が切れると所得税・住民税が跳ね上がった

不動産投資では減価償却期間は以下の算式で計算します。

 

  • 法定耐用年数の全部をすでに超過した資産

→耐用年数 = 法定耐用年数 × 20%

  • 法定耐用年数の一部のみを経過した資産

→耐用年数 = 法定耐用年数 - 経過年数 + 経過年数 × 20%

 

耐用年数オーバーの物件については、前者で計算しますので、木造の場合は22年×20%となり、最短4年で減価償却することができます。

 

私の場合も、不動産投資をスタートした2015年〜2019年くらいまでは毎年のように耐用年数超えの物件を買ってきましたので、所得税はほとんど払ってませんでしたし、住民税も非課税世帯でした。

 

その後、昨年(2020年)あたりからは、最初の頃に購入した物件の減価償却が切れてきて利益が大きくなりそうだったので、そのタイミングでアパートや戸建ての外壁塗装を実施して、修繕費として単年経費として落とすなど、経費を作りながら所有物件をバリューUPしました。

 

しかし、大規模修繕による経費計上も、付け焼き刃の対策なのですよね。

 

その後は、一部の物件を売却して、利益を減らしながらでも、手元のキャッシュをまた増やして、また中古物件を買ったり、新築アパートの建設をしています。

2.赤字決算だったので、金融機関からの評価が低くなることがあった

減価償却費というのは、帳簿上の経費であり、実際の支出を伴いません。したがって、金融機関によっては、減価償却費をしっかり利益として見てくれるところも多いです。

 

一方で残念ながら、確定申告上の「所得金額」しか見ない金融機関も存在します。そうすると減価償却費が引かれた後の最終利益でしか評価しないので、事業者の格付けが下がることがあります。

 

例えば、アパートローンで有名なオリックス銀行などはそうですね。年収700万円以上というのが一つの基準となっていますが、確定申告では「所得金額」で審査するそうです。

 

ですから、自分が活用したい金融機関が、どの部分を評価するのか知っておくことはとても大切なポイントですね。

3.不動産を売るときに「売却益」が大きくなり税金が大きくなった

私が初めて購入したアパートを昨年売却しました。購入価格800万で、売却価格1050万円だったので、利益は250万のように見えますが、実際は違います。

 

なぜなら減価償却により、土地470万・建物330万で按分したうちの、建物部分330万はすべて減価償却が終わっているので、実際は1050万ー470万で580万が売却益ということになるからですね。

 

この場合、個人名義で購入して5年超経過しているため長期譲渡となり、税率は20%になりますから、580万円×20%で116万円の譲渡所得税がかかることになります。

 

当初は利益250万円に見えたので譲渡所得税が50万円で済むと思っていたのに、実際は116万円かかっていますから2倍以上の税金を払っているわけですね(もちろん、所有期間中の税金は少なくなっていますけども)。

 

つまり、「税金を消す方法」というのはこの世には存在しないということですね。減価償却費は、あくまで課税の繰延でしかありませんので、その点は十分に留意しましょう。

2.短期で不動産売却すると「譲渡所得税」が高い

譲渡所得税

 

これから不動産を買う人にとってみれば、まだ売るのはだいぶ先のことだと思うかもしれません。しかし個人名義で不動産を取得した場合、保有期間によって以下の税率がかかります。

 

譲渡所得税率の違いについて
  • 保有5年未満だと、譲渡所得税率は39.63%(短期譲渡)
  • 保有5年超だと、譲渡所得税率は20.315%(長期譲渡)

 

実にほぼ2倍くらいの税金の違いがあるわけですから大きなポイントですよね。

 

なお、保有期間5年ということですが、これは1月1日起算になりますので、例えば2021年の2月に取得した場合は、長期譲渡になるのは2027年の1月1日以降ということになります。

 

2021年に+5年すると、2026年になりそうな感じですが、1月1日から起算ですから、1月1日を合計6回超えないと「まる5年保有した」ということにならない点に注意しましょう。

 

Point!
なお豆知識ですが、個人の場合は、物件取得日を「売買契約日」とするか、「決済日(引渡し日)」とするかは選ぶことができます。

 

先ほどの例でいうと、2021年2月に決済している場合でも、売買契約を2020年12月に終えている場合は、売買契約日を取得日とすることができるため、長期譲渡になるのも2026年の1月1日とすることができるのですよね。

 

しかし、法人の場合は、物件取得を「売買契約日」とするか、「決済日(引渡し日)」とするかは、どちらかに統一しなければいけませんので留意しておきましょう。

 

その点では、個人名義で購入する場合は、物件ごとに取得日を「売買契約日」としたり、「決済日(引渡し日)」としたりすることもできるので、非常に柔軟に変えることができると言えます。

3.個人には「融資上限」がある

収益不動産

 

個人名義でアパートローンを使って購入する場合、「融資上限額」というのがあります。だいたい、本業の年収の10倍〜15倍くらいと言われています。

 

年収700万円程度のサラリーマンであれば、だいたい7000万円〜1億円前後が、上限額の目安になります。

 

ですから、アパートローンだとアパートを2棟〜4棟程度購入すると、だいたい「これ以降の融資は、残債が減るまでSTOPです」と言われることが多いでしょう。

 

サラリーマン大家さんの場合、会社員という与信があるため、最初は与信を活用して取得することは理にかなっているのですが、2億、3億と買い進めていきたい場合は、現実的ではありません。

 

もちろんお医者さんなどで年収が2000万以上ある人などはこの限りではありませんし、静岡銀行などのように年収の●倍という制限がない金融機関もありますが、金利が3%後半など非常に高いので注意していただきたいと思います。

 

また個人名義でどんどん買い増していくと、先ほど事例として挙げたように、減価償却費が切れた後の税負担に悩まされるケースが大半です。この点は、本業の年収が高ければ高い人ほど、税金が重く感じますので十分に注意してください。

個人名義で購入したほうが良い人とは?

ここまで個人名義で物件を買うデメリットを列挙しましたが、次の2つのケースは個人名義で取得して良いでしょう。

 

  1. まだ本格的に拡大していくか分からない
  2. お小遣い稼ぎ程度の収入で良い

 

私の場合は、上記1のケースでしたね。まだ1棟目なので、とりあえず個人名義で買って、所得税を圧縮しようという狙いでした。結局そこから続けて7棟をすべて購入してしまったので、ちょっと突っ走りすぎたかなと反省しています。

 

また上記2のように、お小遣い稼ぎ程度で月10万円くらい稼げれば良いという目標の人なら、個人名義のまま買い進めれば良いかもしれませんね。

 

法人にすると、税理士費用が掛かったり、法人住民税などを考えると経費負けすることがあります。

 

というわけで今回は、今回は個人名義で収益不動産を取得するデメリットについて解説しました。最後までお読みいただきましてありがとうございました。

 

以下、関連記事です。

 

▼アパート売却により上がる税金について、私の売却例をもとに解説しています。

 

▼利回りだけに囚われた不動産投資のリスクについて分かりやすく解説しています。

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