不動産賃貸業の発祥と国策について【4つの業界プレイヤー】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。 

 

アベノミクス以降、サラリーマン大家というコトバが市民権を得るようになりました。

 

今では不動産投資が一般的になりましたが、そもそも賃貸業の発祥とはいつなのでしょうか?

 

今回は、賃貸業の発祥と歴史について解説しつつ、後半では昨今の不動産投資手法についても少し触れてみたいと思います。

賃貸業の発祥と国策による開発

不動産賃貸のはじまりは、江戸時代の「長屋の賃貸」がはじまりだと言われています。

 

はじめて不動産会社や仲介業者というものが出現したのは、明治時代でした。

 

当時、財政難に陥っていた明治政府が、丸の内の国有地を民間に払い下げる目的で売りに出したのに対して、三菱地所が名乗りをあげて、丸の内エリアの開発が進みました。

 

丸ビルあたりの開発は、そんな面白い経緯があったのですよね。

 

f:id:Pelican:20181213212702j:plain

 

その流れで東京駅も完成し、鉄道も整備され、電鉄会社が沿線エリアに住宅開発を行うようになって、日本のニュータウン開発はガンガン進んでいきます。

 

今では当たり前になった「住宅ローン」の発祥は、阪急電鉄の創業者が沿線エリアの住宅を、割賦販売したのが最初と言われています。

 

その後、第二次世界大戦で日本は一度、焼け野原になってしまいますが、政府は戦後復興の目的で、国策として住宅建設をしていくことになります。

 

住宅金融公庫(現:住宅金融支援機構)や日本住宅公団(現:UR都市機構)はその頃にできましたが、それが分譲・賃貸マンションの供給を一気に加速させ、戦後の住宅問題を解決してきました。

 

今日では、住宅ローンを組んで家を買う、というのはごく普通のことで、「家を買ったら一人前」などと言われたりもしますが、不動産も日本の歴史と深くつながっていることは興味深い事実です。

不動産投資業界における4種類のプレイヤー

f:id:Pelican:20181213212834j:plain

現在、不動産賃貸業をやっているのは、次の4タイプの人間です。

※細かく言うともっといるのですが、ざっくりと分けています

 

  1. 地主系大家さん
  2. 不動産業者
  3. 事業家、投資家
  4. 資産運用・節税目的のサラリーマン
 
それぞれ簡単に触れておきます。
 

地主系大家さん

地主さんというのは先祖代々の土地を大切に継承してきました。日本の大家さんのほとんどは、この人たちです。

 

土地をそのまま借地として貸している人もいれば、そこにアパートやマンションやビルなどを建設し、家賃収入を得ながら生活している人もいます。

 

地主でも小規模なレベルから、財閥レベルまでピンきりですので、一概に言えませんが、好立地に土地を持っていれば「土地のアガリ」だけでご飯を食べていくことができます。

 

不動産業者

おもに、転売業者・賃貸仲介会社・リフォーム会社などです。

 

彼らは、不動産を一つの商品として考え、賃貸仲介業に徹する、競売で仕入れて転売する、リフォームで稼ぐなど、手法はさまざまです。

 

スルガのシェアハウス問題で、すっかり鳴りを潜めた「三為業者」は、転売業者にあたります。

 

ちゃんと自分で元付けから仕入れて、付加価値を付けることができる業者はこれからも生き残っていくと思います。

 

ですが今後、転売業者は、そうとう顧客リスト作りをうまくやる業者でないと、厳しくなっていくでしょう。

 

不動産売却

事業家、投資家

私もここのカテゴリに属しますが、地主でもないのに賃貸業をやっている人たちというのは、実はかなりの少数派です。

 

「投資」というと、世間では株式投資の方が馴染みがありますが、不動産というのはマイノリティーな存在です。

 

不動産投資の最大手のポータルサイト「楽待」を運営しているファーストロジック社は2005年に設立され、その後、2015年に同社は上場しています。

 

まさにアベノミクスで不動産ブームが来た時代ですね。

 

「不動産投資」や「サラリーマン投資家」などといった言葉が、市民権を得たのも、ここ10年くらいのことです。

 

資産運用・節税目的のサラリーマン

新築アパートや新築ワンルームなどを買ってしまうのが、このカテゴリの人たちです。

 

 

もちろん立地を分析して、将来の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙っていく選球眼を持つような人たちは、投資家に分類されますので、ここには属しません。

 

危ないのは「老後の年金代わり」とか「節税目的」といったお触れで、ハイスペックサラリーマンや、士業・お医者さんあたりが、新築系を買っていくパターンです。

 

彼らは毎月の手出しがあっても給与が高いので容易に耐えられます。

 

そうやって30年後の資産構築を夢見ますが、その大半が幻想に終わる可能性が高いことは十分承知しておかなければいけません。

 

その理由を次に説明します。

 

初心者が「新築系」から入ると失敗しやすい理由

東京23区でも新築ワンルームマンションは2000〜3000万くらいはしますが、30年後の価値がどれくらい落ちるのか把握しておきましょう。

 

たとえば、築30年前後経過したワンルームマンションは、楽待で検索すると山のように出てきます。

 

どれも1000万以下の物件ばかり。

 

価格は以下のイメージです。

 

f:id:Pelican:20181213191704j:plain

 

これは23区内で20㎡以上の比較的間取りに余裕のあるものでソートしましたが、それでもこの価格です(安いものは500〜600万円くらい)

 

もちろん23区内でも、港区とか中央区とか人気のエリアなら、ここまで価格は落ちませんが、それは購入時の価格がもっと高いことを意味します。

 

では利回りが高いのかというと、上記物件を見ても分かるように築30年のマンションが、利回り6〜9%など低水準ですよね。

 

購入時2000万円くらいで買った物件が、なぜ金額が数百万くらいになっても、利回りが低いままなのか?

 

カラクリは単純で「家賃がすごい下落している」からです。

 

f:id:Pelican:20181213212924j:plain

 

つまり、新築系というのは、ローンのある30年間ずっと価値下落していく不動産を、ひたすらローン返済していくようなイメージになります。

 

この「家賃下落」が、新築系投資における最大のリスクと言ってよいでしょう。

 

新築アパートの場合には、ここに土地値が残りますのでまだマシだと思いますが、新築ワンルームは絶対に儲からない投資の一つですので手を出すべきではないでしょう。

不動産投資するなら中古物件からスタートすべし

成功したメガ大家さんも、最初は小さな区分や戸建て、中古アパートなどをうまく再生しながら、再投資を継続し、現在のポジションを築き上げています。

 

投資初期段階においては中古物件で、幾多の苦労を経験しながら、拡大してきたのです。

(参考)リタイアには中古の不動産投資がおすすめ【新築系は借金が多くなる】

 

不動産賃貸業で成功するためには、最低でも10年くらいの歳月をかかるということですね。

 

アベノミクスに乗じて、売却で大きなキャピタルゲインを得た一部の成功投資家の書籍を読んで、自分も同じように成功できると過信してはいけません。

 

「投資」で大きな成果を残すのは、コツコツ地道に再投資を積み重ねた人だけです。

 

そんな努力をすっ飛ばして、一足飛びに成功できるほど甘くない世界ですが、逆に言えばコツコツと努力できる人は、時間とともに着実に成功に近づいていきます。

 

以下、関連記事です。

 

▼ロットは小さいですが、安定した利益を出せるのが戸建て投資です。

 

▼私の実家のマンションを売却したときのエピソードです。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事