市街化調整区域での不動産投資を実際に4年やってみた感想

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。賃貸業を7年ほどやっています。

 

さて、立地重視で物件を探していると「手頃な価格の物件」がなかなか見つかりません。

 

その結果、どんどん田舎エリアを検討していくようになって、最後は市街化調整区域(以下、調整区域)のエリアでも物件を探すようになる人が多いですね。

 

かくいう私も、調整区域にアパート1棟・戸建て3棟を購入してきました。

 

そもそも市街化調整区域とは?
市街化調整区域はあまり市街地開発をせず、無秩序な市街地の拡大を防ぐ地域です。そのため、市街化調整区域にはマイホームなどの建築にあたり、建て方や建てられる規模など多くの制限があります。一般的な土地に比べて制限があることから、市場価値が下がり、価格が割安な場合も見られます。※出典:SUUMO「市街化調整区域とは」より

 

本記事は、調整区域での不動産投資はアリか?ナシか?について解説していきます。

 

結論:利回りが出ても、大きく儲けるのは難しい

大きく儲ける

 

結論、短期でキャッシュフロー狙いならアリですが、調整区域の物件で大きく儲けるのは難しいでしょう。

 

私もこれまで調整区域で投資してきましたが、今後はあまり積極投資するつもりはありません。

 

その理由は、以下ツイートのとおりです。

 

ここ2年くらい調整区域の物件を買ってないのですが、理由は次のとおりです。
・家賃収入が小さ過ぎて旨味が少ない
・出口が投資家メインになるので高く売れない
・共同担保としての評価も低い
やはり建て替えできる土地の方が、長期的な楽しみもあって良いかなと感じています。

 

上記のとおりです。

 

それぞれ簡単に解説していきます。

 

家賃収入が小さ過ぎて、旨味が少ない

調整区域だと、単身向けのアパートで家賃2〜3万円台、ファミリー向けの戸建てでも家賃4〜5万円台が多くなってきます。

 

私が購入した4棟もすべてそんな感じですね。

 

アパートと戸建て

 

こういうエリアは家賃水準がかなり低くなる、ということですね。

 

「30万円でボロ戸建てを買って、3万円で貸して利回り100%超え!」なんてという投資もあります。ですが、取れる家賃が3万円なら、それ以上の利益は当たり前ですが、得られません。

 

私も高利回り物件は大好きなのですが、不動産投資は利回りだけではないということは頭の片隅に入れておいて損はないでしょう。

 

そういった物件を10戸、20戸とコンスタントに増やしていくなら、全体でリスクヘッジもできるでしょう。

 

ただし、設備故障だったり大規模修繕の負担感が、わりと出てきます。ホールドするのか、売却するのか悩むのもそんなタイミングですね。

 

入居者をつけてオーナーチェンジで短期転売するなら利益も出るかもしれません。ですが、リスク&リターンを冷静に見極めてから投資したいところですね。

 

出口が投資家メインになるので高く売れない

調整区域の物件は、実需層(住宅ローンを組んでマイホームとして買う人)のニーズが、あまりありません。

 

田んぼばかりあるエリアで、マイホームを買う人は、そんなに多くはありませんね。

 

ですから、調整区域の物件というのは、”投資家向け”に売って利益確定する”というのが基本になります。

 

投資家向けに売るのであれば、収益性(利回り)だけがモノサシになります。これはアパートなど1棟物も同様ですね。相場より高い価格で売ることは期待すべきではないでしょう。

 

一方で、実需にも売れる物件であれば、キレイにリフォームして、買った価格よりかなり高く売却するのも可能かもしれません。

 

実需は自分が住むため、利回りなどは考えませんからね。この方が、投資としては「夢」がありますね。

 

共同担保としての評価も低い

調整区域の物件は、「共同担保」としての活躍も、ほとんど見込めません。

 

初めてわたしが買った戸建ても調整区域の物件だったため、金融機関に評価されず、まったく共同担保に取ってもらえませんでした。

 

そういった反省もあり、共同担保用の戸建てとして、資産価値のある物件を仕入れる戦略にシフトチェンジしました。

関連:共同担保用に土地値重視で購入した戸建て投資例【利回り15%実現!】

 

どんな戸建てを購入したのか、エリア・スペック・路線価などはぜひ上記よりご参照いただければと思います。

 

将来的に融資で1棟物のアパートを購入していくことを考えるなら、金融機関から評価されやすい物件を買っていく意識が必要になります。

【例外アリ】投資妙味がある調整区域の物件とは?

ここまで調整区域の物件はNGのように書いてきましたが、例外もあります。

 

それは次の条件に当てはまる場合です。

 

  1. 取れる家賃がそこそこ高い場合
  2. はじめての不動産投資なので少額でスタートしたい場合

 

上記2点ですね。

 

1については、例えば200万円で戸建てを購入して6万円で貸せる場合などですね。家賃が6万円とか取れるのであれば、多少の修繕にも耐えられるので、投資妙味が出てきます。

 

また2については、はじめから大きな物件を買うのが怖い人向けです。金額を下げれば、リスクは下がります。200万円で買えるなら、損失もその範囲しかありませんからね。

おわりに:売却は一つの選択肢でしかない

不動産売却

 

たまに「田舎の不動産は売却できないリスクがある」という人がいます。

 

たしかに、人口がどんどん減っていく地方は、将来物件が売れないかもしれません。調整区域の物件は、その代表でしょう。

 

しかし、田舎で不動産投資をしている投資家は、そもそも売れなくても良いと思っています。

 

なぜなら、キャッシュフローで投資元本の何倍もの金額を短期間に回収することができれば、最後は二束三文になってもトータル収支では利益が出るからです。

 

むしろ「売れないと利益確定できない」という状態のほうが、投資として健全ではないと私は思っています。最後に売却しないと儲かったのかどうか分からない、というのは一つのリスクになりえます。

 

それよりも”買った瞬間にほぼ勝ちが確定する”という水準で買うことが、地方投資の最大のポイントでしょう(もちろん簡単なことではありませんが)。

 

割高に買ってはいけないのは、都会でも地方でも同じなのです。需給が悪ければ、都会でも失敗します。

 

というわけで、最後は少し話が逸れてしまいましたが、私の考えはこんな感じです。

 

結局は、自分の信じる投資を貫くことですね。自分の投資に集中して、しっかり結果を出していきましょう。

 

今回は、市街化調整区域の投資を考えている人に、少しでも参考になりましたら幸いです。

 

以下、関連記事です。

 

▼戸建て投資の3つの手法について解説しています。

 

▼年収が低い人には融資が付きづらい時代になりました。今後の戦略について触れています。

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