築古アパートで失敗しないための5つの購入基準と出口戦略【実体験】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

築古アパートをこれまで3棟ほど購入してきました。現在の家賃収入は月140万円ほどです。

 

さて、サラリーマンによる築古アパート投資が人気ですね。アベノミクス以降、高利回りアパートを買い増して行って、最終的には会社員生活をリタイアする人まで出てきているようです。

 

一方で、初心者が、収益性の低いアパートや空室対策に苦労するアパートを購入してしまうケースも散見されます。

 

保有中もキャッシュフローがあまり出ず、かと言って売ろうにも売れない、という八方塞がり状態は、投資家にとって一番苦しい状況です。

 

そこで今回は「築古アパートで失敗しないための5つの購入基準と出口戦略」について、アパート投資歴6年目の私がエッセンスを解説してみたいと思います。

 

本音100%で書きますので、築古アパート投資に興味のある初心者さんには、ぜひ参考にしてみてください。

築古アパートで失敗しないための5つの購入基準

 

私が一番よく聞かれるのが「築古アパート投資で、何を重視して購入しているか?」ということです。

 

結論から言うと、「長期的に満室経営できるかどうか」これだけです。私の過去の失敗も踏まえて、本音でそう思います。

 

もう少し因数分解すると、以下の5つですね。この5つをしっかり分析してから、購入に踏み切るのが鉄則だと考えています。

 

築古アパートの5つの購入基準
  1. 人口規模
  2. 賃貸空室率
  3. 家賃相場
  4. 競合状況
  5. 生活利便性

 

上記のとおりです。

 

実際はこれ以外にもあるのですが、これらをしっかり分析するだけでも初心者は大怪我を防ぐことができます。

 

以下、それぞれ簡単に解説します。

 

1.人口規模

私は、最低10万人以上の市町村を投資エリアにしています。

 

理想は20万人以上の規模ですが、大きな都市は競合アパートも多い傾向にあります。需要と供給のバランスを見ることが何より大切です。

 

では、なぜ人口規模を重視しているかというと、長期的には地方都市の人口は減っていくからですね。

 

アパート経営は、最低でも10年以上の長期スパンでやることを前提にすると、購入時点で10万人くらいいれば、むこう10〜15年くらいで一気にゴーストタウン化してしまうことはないでしょう。

 

人口規模が長期に維持される市町村であれば、商業施設も急激に減っていくこともありません。つまり街としての活気が失われるスピードもゆっくりということですね。

 

ご不安な方は、2045年市町村将来推計人口ランキングなどもチェックして、長期的な街の人口がどのように変化するのかをしっかりチェックしておきましょうね。

 

2.賃貸空室率

LIFULL HOME'Sの「見える!賃貸経営」によると、日本の賃貸物件の平均空室率はだいたい19%となっています。

 

つまり、現時点で空室率が20%後半とか、30%台もあるようなエリアは、慎重に投資しないと危ないです。あとは一つの大学・企業・工場などに、賃貸需要が依存している街・駅などは厳しいですね。

 

そんな事例について、以前ツイートしましたね。

 

 

築18年でバス・トイレ別のアパートが、家賃1万円以下なんて驚くひとも多いことでしょう。でもこのような街は日本中のいたるところに存在しています。

 

なお賃貸の空室率が高いからといって、それだけで危険とは言えません。なぜなら、飽和しているのは単身向け物件だけで、ファミリータイプは堅調に賃貸経営できるケースもあるからです。

 

実際は、近隣の仲介店舗(エイブル・ミニミニなど)に電話で聞いてみることですね。どんなエリアのどんなタイプのお部屋が客付けに苦戦するのかは、現場へのヒアリングも大切になってくるということですね。

 

3.家賃相場

初心者の人が一番苦労するのが、家賃相場をつかむことです。

 

以前、「不動産投資で騙されるのは家賃査定が甘いからです【実例紹介】」でも書きましたが、ここの分析が非常に甘い人は多いです。

 

かくいう私も、この家賃査定で失敗して、購入後に利回りが下がっていくという苦しい経験をしました。

 

対策としては、近隣の賃貸仲介店(エイブル・ミニミニ・アパマンショップ等)にヒアリングをかけて精度を高くしていくしかないのですが、これをやらないで泣きをみる人がかなり多いです。

 

なお注意点としては、SUUMOに出ているのは、売れ残り物件の賃貸物件がほとんどです。

 

実際の成約賃料や、ずっと満室を続けているアパートの賃料は、もっと低いケースが多々あるので、気をつけましょうね。

 

4.競合状況

私がチェックしているのは、以下の2つです。

 

  • エリアの最低家賃のチェック
  • 新築アパートの賃料チェック

 

投資で大切なのは、値下がりの最低ラインをつかむことです。

 

入居付けの最終手段は、内装を綺麗にして家賃を安くすることですが、エリア最安値をSUUMOでチェックしておけば、どこまで家賃や利回りが下がるか、おおよそ判断できます。

 

あと、感覚的な部分で恐縮ですが、「新築アパートの賃貸が4万円台〜5万円台前半とかでたくさん出てくるようなエリア」は、そこそこアパート供給が過剰になっている可能性が高いと判断しています。

 

よく言われることで、築古アパートと新築アパートはターゲット(お客さん)が違うから、その2つを比べても意味がないなんて言われますよね。

 

でも、供給が過剰になりすぎたり、需要が低すぎるエリアだと、新築アパートの家賃が築古アパートに近づいてくることがありますので、私は注意深く見るようにしています。

 

やはり、新築の供給数が多いと、マーケット全体の家賃も下がります。新築・築古、その両方の賃料相場を見ておくことは大切ですね。

 

5.生活利便性

最低限の生活利便性を、チェックしておくのは基本中の基本ですね。

 

◯◯市ならどこでもOKなどということはなく、◯◯市の中でも、勝ち組エリアと負け組エリアがありますので、対象物件エリアの生活動線はくまなくチェックしておきましょう。

 

最低でも必要なものは以下ですね。

 

  • スーパー
  • コンビニ
  • 小学校、中学校(ファミリー物件の場合)

 

コンビニがなぜ必要なのか?と思う人もいるかもしれませんが、地方だとATMがコンビニしかなく、お金を下ろすときにはないとけっこう不便なものです。

 

こうした生活利便性は、「平均入居年数」にも必ず影響してきます。

 

以前、私のアパートの入居者さんに会ったときに「このアパートはスーパーも近いし、日帰り温泉も歩いていけるので結構助かっている」と仰っていました。こうした利便性や生活の楽しみがあると、その物件に住み続ける理由になるのですよね。

 

そして、居住年数が長くなればなるほど、入退去ごとのADやリフォーム費用もかからず、賃貸経営が楽になっていきます。これは長く経営していると、ボディブローのように効いてきます。

築古アパートの出口戦略とは?【王道戦略】

 

私の場合は、築古アパートの出口戦略は、次の2パターンを考えています。

 

  1. 築40年くらいまでに売る
  2. 朽ちるまで貸し続ける

 

それぞれ触れておきます。

 

1.築40年くらいまでに売る

まず築古アパートの場合、築20年〜30年くらいで購入して10年ほど回したら、買ったときと同じ(or近い)価格で売るというのが、一番効率よく儲ける方法だと考えています。

 

この方法だと最初の4〜5年は減価償却費もあるので、けっこう手元のキャッシュが残ります。そのキャッシュをもとに、さらに物件を購入して行き、キャッシュフローに厚みが出てきたら、10年前後で売るということですね。

 

逆をいえば、10年経営して同じくらいの価格で売れないということであれば、所有中のインカムが価値下落分を上回るほど回収が進む必要があるということですね。

 

つまり本質はどこにあるかというと「売却」を前提にしているという点ですね。

 

「買ったときと同じ価格で売る」などと簡単そうに書いてしまいましたが、ここが一番難しいところでもあります。もちろん、そんな物件があったら誰でも喉から手が出るほど欲しいですよね。

 

ですから、「売却を前提にする」のであれば、購入時は割高に買ってはいけないということです。

 

よくあるミスとして、土地値が高いものを選ぶと、売却価格が下がりにくいですが、所有中のインカム(収益性)はイマイチになることが多いです。オリックスや静岡銀行あたりで、こういう物件を買っている人はかなり多い印象ですね。

 

それならば、土地値は二束三文でも、圧倒的に利回りを追求して買って、売るときにも収益還元で確実に買い手が見つかる物件のほうが、初期ステージでの再投資効果まで考慮すると、合理的なケースもあります。

 

なお築35年以降でアパートを買うのあれば、自分が最終所有者になる可能性が高いです。

 

そのような物件は、そうとう超高利回りか、もしくは購入価格=土地値に近い水準で買っておかないと、「儲からない・売れない」という苦しい状況になります。

2.朽ちるまで貸し続ける

買った後で売ることを全く考えていない投資家さんもいらっしゃいますね。2の「朽ちるまで貸し続ける」という戦略は、まさにこれにあたります。

 

その場合、一番重要になってくるのは、所有期間中にどれくらい家賃収入を稼いでくれるか。これだけです。もちろん、稼働率や修繕も考慮しての話ですね。

 

稼いでくれる家賃収入が大きければ大きいほど、投資も拡大していきます。資金繰りに窮することもありません。その点ではキャッシュフローが大きいことは絶対正義なのですよね。

 

とりわけ地方の築古アパートの場合、「売らない」という覚悟ができるほど収益性の良い物件であるなら、それだけで「流動性の低い不動産のリスク」を、大きく低減してくれるのです。

 

そういう意味では、持ち続けてナンボの世界のほうが、売ることを考えないので精神的にラクにもなりますね。これが、朽ちるまで所有するつもりで買え!ということの真意でもあります。

築古アパート投資をする前に読むべきおすすめの本

おすすめの本

 

最後に、築古アパート投資をするにあたって、私がこれまで何度も読み返した本を挙げておきます。

 

どれでも名著でおすすめですので、読んだことがない人は一度手にとってみてください。

 


手取り「年収1000万円」を目指すサラリーマン不動産投資術~絶対地方高利回り主義! ~

 

 

中島さんは北関東の築古アパート・マンションを高利回りで投資されていらっしゃいます。

 

私も一度、所有する群馬のアパートにリフォームに行くときに、コンビニで偶然出会ってご挨拶させていただいたことがあります。笑

 

本書はこれから地方で1棟アパート投資する方にとって、教科書的な存在です。基本的な知識はもちろん、中島さんの面白い購入遍歴や、自宅を賃貸した手法なども掲載されています。

 

とくに、第6章〜8章の「購入に至る各ステージでのポイント、自己資金作り編・物件調査編・融資付け編」は、これから築古アパートを手掛ける方には必読でしょう。

 


田舎大家流不動産投資術: たった3年で家賃年収4700万円を達成した私の成功法則

 

多喜さんは北陸で築古投資をしておられます。

 

本書でも、資産性よりキャッシュフロー(収益性)を追求しなさい、と提唱していらっしゃって、多喜さん自身も高利回りアパート経営からスタートされています。

 

とくに第4章の「不動産投資のロードマップ」の中で、投資の初期段階・中期段階・後期段階でそれぞれやるべきことを、明快な理由とともに挙げていらっしゃって、投資ステージごとに戦略がわかりやすく説明してくれています。

 

多喜さんの本は、税務や法人化についても詳しく触れているので、実務面からも参考になるかと思いますので、読んでおいて損はない1冊となっています。

 


めざせ! 満室経営 本気ではじめる不動産投資

 

 

赤井さんの本は、有名な投資家さんが推薦しているくらい良書中の良書です。不動産投資のメリットと難しさを両面をわかりやすく解説してくれています。

 

とくに第3章の「反面教師!不動産投資で儲からない人から学ぶ」は出色ですね。けっきょく投資初心者の人たちが失敗するポイントは、共通しているということでもあります。

 

これからはじめて不動産投資をする人、まだ1、2棟目を購入したくらいの人には、多くの発見がある書となるでしょう。

あとがき

不動産投資を5年やってきて私が強く思うのは、以下ですね。

 

アパート投資は、陸上でいうところの短距離走ではないということです。あくまで長期戦でマラソンですね。

 

儲かるから買うという考え方も一つありますが、それでも所有中はリフォーム、空室対策、デッドクロス、大規模修繕、クレーム対応など、いろいろな厄介事が発生します。

 

新築アパートも、経営が始まればすぐに中古になりますので、そこから先はまさに事業です。

 

不動産投資=単なるお金儲けと考えるには、いささか長期すぎる投資の時間軸ですね。ぜひ自分の子供を育てるような気持ちで取り組んで頂きたいと思います。

 

以下、関連記事です。

 

▼築古アパートにフルローンが長期融資がつきやすい金融機関といえば三井住友トラストL&Fです。

 

▼都心部での投資をしたい人には、区分マンション投資も一つの選択肢です。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事