1棟アパート投資で失敗する代表パターン5選

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。合計11棟の不動産の賃貸経営をしている専業大家です。

 

さて、不動産投資の最大の魅力は「融資レバレッジ」ですよね。中でも、1棟物のアパート投資というのは、とても魅力的に映る人は多いでしょう。

 

RCは規模が大きすぎて怖い。しかし戸建てや区分マンションでは、投資リターンが小さいと考える人にとって、木造の1棟アパートという選択肢は、ちょうどよい規模感に感じるのかもしれませんね。

 

私も木造アパート投資は7年ほど経験していますが、ミドルリスク・ミドルリターンを感じることができる手頃な投資対象だと感じています。

 

しかし一方で、木造アパートのデメリットは、法定耐用年数が22年と短く、融資付けに大変苦戦します。やっと買えても、自分が売る時には融資が付かないケースも十分考えておかなければいけません。

 

そこで今回は、買ってはいけない1棟物アパートの代表例を5つ挙げてみます。

 

  1. ロットが大きいのに土地値が低いアパート
  2. 単身1万円台のお部屋が多数あるエリア
  3. 相場家賃より高い入居者がいるアパート
  4. 競争力がない間取り(狭い&水回り)
  5. 入退去頻度の多いアパート

 

本記事では、アパート投資で失敗しないために、買ってはいけない1棟物の特徴を掴んでいただければと思います。

ロットが大きいのに土地値が低いアパート

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この条件に該当するのは以下の2つです。

 

  • 新築アパート(8世帯以上)
  • 5000万円以上の築古系アパート

 

新築アパート投資は、土地を安く仕入れて、上モノ(建物)にどれだけお金を掛けられるかがポイントの投資です。

 

したがって、5000万円の物件で土地値が1000万円以下とか、1億円の物件で土地値が2〜3千万しかないというケースはけっこうあります。

 

これは利回りを追求すると、土地を安く仕入れるしかないことから、当然といえば当然の結果です。このとき一番の問題は、出口戦略(売却)になります。

 

土地値が低い新築アパートを売ろうと思うと、積算評価が出ないので、利回りを高めにして売り出さないと、買い手が付きません。

 

たとえ持ち続けるとしても、新築アパートは年数を経るとともに、家賃の下落がどんどん進むので、持てば持つほどインカム面は目減りしていきます。

 

これは新築アパート投資が悪いのではなく、それを見越した投資戦略が必要ということです。新築アパートなら、4戸か6戸などロットが小さいものの方が出口が楽でしょう。

 

では、築古アパートで高利回りの物件であれば良いのかと言うと、そうでもありません。とりわけ、5000万円以上のロットになってくると、キャッシュで買える投資家が少なくなってきます。

 

ロットの大きい物件5000万クラス以上の物件で土地値が二束三文のアパートを買うと、売却が思うようにできず苦労する可能性はあります。このロットだと現金買いの人も少なくなってくるので、共同担保を豊富にもつ投資家に売却するのが現実的です。

私がアパートを買う条件は、毎月のインカムがそれなりに潤沢で、かつ年数が経ってもあまり家賃下落しない物件、だと考えています。これなら長期ホールドができます。売却前提で考えないで良いということですね。

 

または1000万円〜3000万円以下など、投資ロットが小さいアパートであれば、あとは築年数と利回りの調整で買い手を見つけることができるでしょう。※私が1棟目アパートは800万円、2棟目アパートは3000万円、3棟目アパートは2100万円という低ロットで買っているのはそうした理由もあります。

 

1000万〜2000万円台の規模感のアパートなら、利回りを相場より高くして売り出せば、キャッシュ買いしてくれる人が一定数いるだろうという目算があります。

だからこそ最初に買うアパートの金額(ロット感)というのは、一つのポイントになります。

単身1万円台のお部屋が多数あるエリア

低属性の人が資産形成していく時に、高利回りアパートを購入することを考えると、やはり単身向けアパートが中心になってくるでしょう。私も、今まで購入したアパートはすべて単身向けです。

 

ファミリー向け×高利回りアパート」というものが掴めるなら一番良いのですが、そういう物件はマーケットに存在しません(あるとしたら全空や競売など事情があります)。

 

では、最初はそういった単身向け×高利回りアパートに投資するときに注意しているのは、1万円台の賃貸物件がエリアにどれくらいあるか、という点です。

 

供給過剰エリアは、ほとんどのケースで1万円台の賃貸物件が乱立しています。逆に、需要が圧倒的にとても多いエリアだと、格安の賃料で募集されているアパートはありません。

 

その証拠に、、、SUUMOで「渋谷区 賃貸」で調べると、よく分かります。渋谷区は供給より需要が圧倒的に多いエリアで、トータル24,000件出てきますが、1万円台はおろか2万円台の賃貸物件でさえ、ゼロ件です。※ちなみに渋谷区で最安は3万円台前半ですが、ワンルーム・10㎡・風呂ナシという物件です。

 

これが地方に行くと、供給過剰エリアは1万円〜2万円台前半の家賃帯がたくさん出てくるエリアがあります。初心者が、そうした供給過剰エリアで、利回りの良くないアパートを買うと、賃貸競走の巻き込まれて疲弊します。

 

そういうエリアでは、無料WIFI付き、宅配ボックス、フリーレント、広告料3ヶ月以上など、設備や募集条件を大盤振る舞いしないと入居者が確保できません。※それを購入価格に組み込んで安く買うならOKですが、買った後に気付くと苦しくなります

 

自分が投資するエリアが10年後、20年後、30年後、家賃がどれくらい下がる可能性があるのか?

 

そういった相場家賃の下限はポータルサイトを見て、現地の仲介3社にでも電話でヒアリングすればだいたいの相場感がわかります。

 

不動産投資は、そうした手間を惜しんではいけませんね。

相場家賃より高い入居者がいるアパート

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ペリカンがアパート投資で若干、失敗したのがこのケースです。単身向けの相場家賃が3万円前後のエリアにおいて、平均入居が33000円〜36000円で満室になっているアパートを買いました。

 

結局、1Kタイプのお部屋は33000円→30000円まで低下し、2階の1K+ロフト付きのお部屋も、35000円→32000円程度と、全体的に平均3000円ずつ下がりました。

 

購入当初は利回り14%くらいでしたが、入退去の度に家賃が下がったことで、現在は12〜13%くらいまで下がっています。

 

幸い、このアパートについては徹底的に空室対策していますので、満室経営ができていることから、私も大怪我をしないで済んでいます。

 

またこの経験をしたことによって、投資物件をい選ぶ目線を厳しく持つことができるようになり、空室対策のスキルも一気に身についた、という別の側面の効果はありました。

 

ですから、この経験自体は私の中でも、今ではポジティブに捉えています。このアパートを買った苦労よりも、学べたことの価値の方が大きかったからです。しかし、これからアパート経営をスタートする人は、私と同じ轍をあえて踏む必要はありません。

 

アパート経営で、利回りが狂う可能性が一番高いのが賃料相場です。ここはベテラン投資家でも、けっこうミスしている人が多いと感じています。

競争力がない間取り

アパート経営というのは、外壁塗装やエクステリア・共用部を大きく刷新して、バリューアップしたり、内装設備を強化をして、投資家自身が付加価値をつけていくことができます。

 

これは不動産の一つの醍醐味でもあります。

 

また室内もアクセントクロスを入れたり、追い焚きにしたり、無料インターネットを導入したりと、入居者にとって魅力的な設備を、あとから取り入れることもできます。

 

しかし、間取りを変えるのはコストが莫大に掛かります。ですから、間取りの競争力については事前調査をしたり、できれば先輩投資家に見てもらってフィードバックをもらうことが望ましいでしょう。

 

たとえば、6帖のお部屋を8帖に変換することはできませんし、洗濯機置場や独立洗面台を確保できない物件をリノベして設置するのは、費用対効果の問題が付き纏います。

 

最近の新築アパートで、居室が6帖未満の狭小物件がちらほら散見されますが、こういったアパートは長期的な競争力を出していくことは困難です。※こうしたアパートは相続目的か、築10年未満で家賃が下落する前に売り抜ける目的で建設されたものが大半です

 

私が投資している長野・群馬・千葉でも、1年中空室が続いているアパートはやはり居室が狭い物件がとても多いと感じています。

 

狭くても家賃を落とせば入居者は付くかもしれませんが、やはり利回りは下がります。新築で狭い間取りの部屋を増やして、表面利回りだけ上げて売りに出しているアパートは多いです。

入退去の多いアパート(シェアハウス含む)

学生需要多数!」などというPRで、売買仲介会社のメルマガで流れてくることがありますね。

 

しかし、ちょっと立地分析してみるとターゲットである学生が専門学校や短大など2年制の学校が中心になっているケースがあります。もしくは一つの大学だけに一極集中などもありますね。これは大学移転という別のリスクが隠れています。

 

アパートの収益性というのは、利回り×年間稼働率というのが一番シンプルな原則ですから、入退去が激しいと手残りが少なくなります。

 

なぜなら、短期入居になると、その度に空室期間が発生し、お申込みが入っても客付け時のAD(オーナーが仲介店に支払う報酬)が掛かります。

 

何より、常に入退去が多かったり、空室を抱える賃貸経営は気持ちの良いものではありませんね。入退去頻度が圧倒的に高いと言えば、シェアハウス投資もそうですね。

 

シェアハウスの場合は数ヶ月で出ていく人もいますし、もともと属性があまり良くない方も多いので、私の投資仲間でも運営に苦労している人がいます。

 

管理会社に運営を任せても、シェアハウスの管理料は20%程度と高いので、自主管理で運営を楽しめる人でない限り、長期的な運営が辛くなっていくかもしれません。

 

サラリーマン大家であれば、運営負担は最小限にしたいと思うでしょう。ですから、アパートは入退去頻度がどのくらいあるのか、それをターゲットから逆算して想定しておかないといけません。

まとめ

不動産投資は、いろいろな指標や考えることが沢山で大変だ!という声もありますが、意外に私はシンプルに考えています。特に、気をつけるべきポイントは次の5つです。

 

  • 出口はどうなるのか?
  • 供給過剰エリアではないか?
  • レントロールマジックはないか?
  • 人気の無い間取りではないか?
  • 入居ターゲットは誰か?

 

この5つを意識するだけでも、大きなリスクはだいぶ排除できると考えています。

 

リフォーム、客付け、融資戦略など、細かいテクニックも大切な要素ではありますが、まずは物件選びで大きな失敗をしないこと。これが何より重要です。

 

致命傷だけは避けなければいけません。

 

不動産投資というのは大きな失敗をしなければ、多少の苦労があっても、必ず経験となって次につながります。

 

経験から学んだことを振り返り、次に活かして再投資をひたすらしていく。これが不動産投資の本質で、醍醐味です。

 

以下、参考記事です。

 

▼サラリーマンの新築アパートが流行っていますが買い方を間違えると大変危険です。

 

▼私は戸建て投資を6棟運営しています。具体的な手法を紹介しています。

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