
REITの利回りとは?
REITというのは、Real Estate Investment Trustの略で投資信託の一種で、元々アメリカで開発された投資信託の商品です。
投資家から集めた資金を、商業施設・オフィスビル・マンションなどに投資して、そこから得られる賃料収入や不動産売買益を、投資家に分配金として配ります。
日本のJ-REITだけでもこんなにあります。
どれもネット証券口座から購入可能な商品です。
分配金はだいたい3〜7%くらいの利回りですが、これくらいの利回りなので長期投資で配当を得ていくのが、この投資の醍醐味です。
投資銘柄を選ぶ基準は、十人十色かと思いますが、例えば、、、、
- 時価総額が大きい有名な信託
- 投資信託として歴史が10年以上ある
- 価格が安定している
- 倒産リスクが低い
という基準です。
この中から抽出すると、例えば「森トラスト総合リート投資法人(8961)」などが挙げられます。
現在の購入価格は176,300円で、3600円の配当が年2回ありますので、配当利回りは4.08%ほど。REITとしては標準的な利回りです。
10口購入すれば176万3000円で、年間の配当は72000円もらえます。100口購入なら1763万円必要で、年間配当は72万円もらえる投資ということになります。
不動産投資の利回りとは?
一方で私がやっている実物不動産の場合は、利回りで最低でも10%、できれば15%くらいを狙って物件を購入しています。
これだけ聞くと利回りが高いように感じますが、金融機関からの融資によりレバレッジをかけて投資をしていくので、銀行への支払い金利が2〜4%くらい掛かるという、カラクリがあります。
また管理費や固定資産税で年間に2%前後は差し引かれますので、最終手残り(利回り)はだいたい8.5%くらいです。
REITに比べて2倍くらいの利回りを出せるのは「投資家への分配がなく、私自身が直接、実物不動産に投資をしているから」という言い方もできますが、リフォームしたり、入居募集をしたり、税金を支払ったり、という隠れた労働を伴う投資になっている側面があるからです。
それぞれのメリット・デメリット
REITの一番のメリットは、運用がとにかく楽ということです。ネット証券口座を開設して、そこから購入すれば誰でも、有名企業のREITを購入することができます。
そして3月、9月の年2回、放おって置いても配当金が入ってくるので手間がまったくかかりません。これで利回り4%の商品を買えるのですから、良いのではないでしょうか。
デメリットとしては、配当額や利回りを、投資家がコントロールすることができないことです。投資家はいくら頑張っても、利回り自体を上げることはできません。利回りは企業が決めるので、減配リスクも当然あります。しかしREITの基準価格自体が上がれば、大きくキャピタルゲインを得られる側面もあるので、ここは一長一短です。
一方で、実物不動産への投資(不動産投資)は、利回りのコントロールが容易にできます。リフォームにお金をかけて、満室にしたり、利回りを上げるような、再生物件を手がけることができますし、個別性が高いので、相場が落ちても、利回りの良い不動産は、市場で値が付きやすく、高値で売ることもできます。
問題は相場が暴落した時にどうなるか?
これは森トラスト総合リート投資法人(8961)の10年の株価チャートです。
現在176,300円の基準価格ですが、5年前には125,000円前後でした。逆に2015年には高値は250,000円まで上昇しています。
REITについては暴落する可能性もあることを考えておかなければいけません。
現在購入することで、毎年4%の利回りが得られても、10年で40%程度しか回収できません。20年〜30年持てば元本と同程度回収ができますが、そこまで行くには時間がかかります。
常に回収額が、暴落時の価値毀損額より高まるようにできれば万々歳ですが、それは相場による影響が大きいので、やはり長期投資での回収というのを念頭に置いて、購入する必要があると言えます。
分散投資によるリスクヘッジが必要
旅行代理店の「てるみくらぶ」が倒産して問題になりましたが、てるみくらぶ取引先の広告会社も、連鎖倒産したそうです。売上の大半が、てるみくらぶ関連の新聞広告だったらしいのですが、この教訓は”お金儲けやビジネスには、リスク分散が大事”だということです。
REITを購入する時にも、銘柄の分散してリスクヘッジすることがその一つになります。またREIT以外にも他の投資信託・債権・株を持つとか、日本とアメリカと欧州で銘柄を分散するなど、いくらでもリスク分散する手段があります。
とにかく投資は、一極集中するのが一番リスクが高いということです。
投資対象の分散とは別に、購入時期の分散というのもあります。REITで長期投資するなら、購入時期を分散して、暴落時にも購入し、平均購入単価を下げる手法です。
実物不動産への投資の場合は、エリアの分散、不動産種別の分散(マンション、アパート、戸建て、区分、オフィスビルなど)が大切になってきます。売買も、数年〜20年くらいの比較的、短〜中期で行う人が多いのが、実物不動産の特徴です。25年、30年と同じ不動産を所有する人などは少数派です。
こういった銘柄の分散、時期の分散というのは、それなりに勤勉な投資家の人なら誰でもやっていることですが、改めて徹底した運用ができているかのチェックは重要だと思います。
まとめ
2つの投資の特徴をまとめると、こんな感じでしょうか。
- REIT → 安定利回り・長期投資
- 実物不動産への投資 → 高利回り・短中期投資
サラリーマンをしながらの投資であれば、REITがおすすめですが、独立して頑張りたいとか、一気に儲けて自己資金を増やしたい人には不動産投資も有効だと思います。
金融商品でお金を稼ぐには、初期投資の額が重要です。1億円の5%なら500万円ですが、5億円の5%なら2500万円にもなり、これだけでも十分生活ができます。
私は、まだREITへの投資は行っていませんが、実物不動産で資金(純資産)を増やしつつ、暴落時に金融投資で長期投資をするのが、資産形成が一番早くなると考えています。なので、当面は不動産投資に傾斜して資金を増やすつもりです。
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