アパートローンは繰上返済と追加購入どちらが効果的か?の結論

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

不動産投資で、借り入れが増えてきた頃にぶつかる悩み。それは「貯まった現金の使いみち」ですね。

 

そんな時、ふと頭によぎるのが「繰上返済」の四文字でしょう。

 

ただ銀行に預金してるだけの状態だと、死に金です。

 

であれば、一部繰上返済して、金利圧縮もアリかも!と、誰もが一度は考えたことがあるのではないでしょうか。

 

繰上返済すれば、借金も減るし、金利の支払いも少なくなる効果がありますからね。

 

今回は「私の所有アパートで、ローンの繰上返済を検討した結果」について書きます。規模拡大していくために、繰上返済か?追加購入か?で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

所有アパートのローン繰上返済を検討した結果

所有アパートの写真

 

私の所有アパートの事例もとに解説していきます。

 

アパートのスペックについて

スペックは、以下のとおりです。

 

  • 購入時価格:3000万円
  • 部屋数:10部屋(1K×5、1K+ロフト×5)
  • 構造:木造
  • 築年数:築30年
  • 利回り:13%
  • 土地値(実勢価格):1500万円程度
  • エリア:北関東の地方都市

 

このアパートは2016年に、三井住友トラストL&Fから融資を引いて購入しました。期間25年、金利3.9%という条件ですので、なかなか残債は減りませんが、満室時には毎月手残りが15万円くらいあります。

 

このアパートを購入を決断した理由は、北関東有数の工業都市で、現在でも人口が微増しているエリアであること。そして、アパート周辺の利便性(スーパー・ドラッグストア・コンビニなど)も比較的良い立地にあることです。

 

一方で、弱点としては収益性ですね。利回り13%なので、可もなく不可もなくという感じです。

 

しかし出口戦略として、収益物件として売るなら、利回り15%で引き直しても2500〜2600万円程度にはなるし、建物を朽ち果てるまで使うなら、最後は解体して土地売りで1500万円程度で売れると考えました。

 

このようにアパートは将来売るときに、収益物件として売るのか?土地として売るのか?(売れるのか?)の戦略までしっかり見定めておいたほうが良いですね。

 

それが下値限定になればなるほど、所有中も平穏な気持ちで暮らすことができるというものです。

繰上返済を考えたきっかけ

最近、このアパートの繰上返済を思い立ちました。

 

おもに以下の理由ですね。

 

  1. 金利負担が気になった
  2. 残債がなかなか減らない
  3. 遠いので管理の手間がかかる

 

1と2については、どちらも原因は「高金利・長期融資」だからですね。3000万円借りて、4%近い金利を払っているので、毎年100万円以上の金利を払っていると思うと、我ながらスゴい金利だなと思いました。

 

3については、千葉住みの身としては、北関東まで行くのが大変ということですね。リフォームをすべて業者に丸投げしてもよいのですが、それだと高額な修繕コストが掛かって、利益が少なくなります。

 

以前、「遠隔地での不動産投資は厳しいのか?【結論:規模の大きさによる】」で、遠隔地投資のポイントについて言及しましたが、言うは易し行うは難し。

 

結局、なんでも自分の目で見てやらないと気がすまない私は、毎回片道2時間ちょっとドライブしてアパートまで行き、退去立会いやリフォームの指示出しをしています。

 

そんなことを考えていると、当面ホールドするなら早めに繰上返済して、無借金になるのも一つの手かなと思ったのですよね。

 

無借金になれば、金利負担もゼロになります。

 

また、金利が浮いた分だけリフォームもどんどん外注していけば、遠隔地管理も苦ではなくなる可能性もありますからね。

けっきょく繰上返済したのか?

結論、繰上返済するのは、やめました。

 

理由としては、「期間短縮」で繰上返済しても、毎月の支払額は減らないので、キャッシュフローは当然ながら増えないからですね。そして3000万円も繰上返済するには、かなり時間がかかります。

 

投資の初期段階で、キャッシュフローが増えないとスピードが落ちます。

 

Point!
繰上返済には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類あります。期間短縮型は、残りの返済期間が短くなり、返済額軽減型は、毎月の返済額が減る効果があります。

 

一般的に、金利負担を下げるなら「期間短縮型」を選ぶほうがメリットがありますが、実際は利回り換算すると、どちらも同じような効果になるのですよね。

 

※このあたり詳しく知りたい方は、SUUMOの『繰り上げ返済の「期間短縮型」と「返済額軽減型」、どっちが有利?』の記事がわかりやすいので、よかったら参考にしてくださいね。

 

では、返済額軽減型にして、毎月のキャッシュフローを優先し、増えたキャッシュフローで新たな物件を購入すればよいではないかと考えました。これは一理あるように見えますよね?

 

でも、キャッシュフローを優先するなら、繰り上げ返済するお金でそのまま新規物件購入したほうが話が早いのですよ。

 

どういうことが説明します。

 

例えば、3000万円のアパートで、500万円繰上返済すると、月々の支払いは156000円→126000円と約3万円減ります。しかし、500万円で戸建てを現金で1棟買えば、毎月のCFは5〜6万くらい増えますから、その方がCFを増やせます。

(参考)JAバンク:繰上返済シミュレーション

 

そして、私クラスの年間家賃1000万円台レベルだと、リスクを減らすより、規模拡大を急ぎたいという思いがあります。

 

以上が、”私がアパートローンの繰上返済をやめた理由”ですね。

 

このまま本物件を遠隔地管理していくのは、それなりに骨が折れますが、まだまだ頑張ってキャッシュを稼いで、そのお金で次の再投資を実践していかなければいけない時期だと認識しています。

繰上返済したほうが良いケースとは?

繰上返済

 

簡潔にいうと「規模拡大はゆっくりで良くて、とにかく安全運転したい人」は繰上返済は強力な選択肢になるでしょう。

 

また「もうキャッシュフローはそれほど増やす必要が無くて、できるだけ借金を減らしていきたい人」もそうですね。B/Sのバランスを改善したい人とか、高齢の投資家さんとかですね。

 

でも、せっかく苦労して融資を引いたのに、それを全額繰上返済してしまうなんて、愚の骨頂だと言う人もいるでしょう。

 

しかしそれは、その人の投資ステージと価値観次第なのですよね。

 

すべての戦略が間違いではありませんし、他人の投資法について、とやかく言うのもおかしな話なのです。

 

ただし1点あるとするなら、超高金利で融資を引いているようなケースですね。これは繰上返済をおすすめします。

 

とくに、短期的にカードローンなどで5%〜10%とかで引いている人ですね。以前の私もそうでしたね。最近はカードローンも低金利なものが出ていて、ついつい頭金や諸費用等で借りる人がいると思います。

 

もちろんこうした借り入れは1〜2年で短期返済するのであれば良いのですが、拡大期はどうしても貯まったお金で次の物件を買ってしまうものです。その結果、いつまで経ってもカードローンが無くならない投資家さんがいます。

あとがき

今回は、繰上返済について、所有アパートの事例をもとに、自分ならどうするかを真剣に考えてみました。

 

こうやって一度冷静になって考えてみると、今後の方針をつくる上で、非常に視界がひらけますね。

 

というわけで本日は以上になります。

 

本記事が、みなさんの投資戦略を考える上で、何かのヒントになりましたら幸いです。

 

以下、関連記事です。

 

▼規模拡大には売却益を積み上げることが不可欠です。

 

▼土地値以下で不動産を買うことのメリットと注意点です。

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