土地値以下の不動産投資は最強なのか?【デメリットと対策解説】

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

地方で大家さんを6年ほどしています。おもに木造×高利回り投資が中心です。

 

ここ数年、アパート経営やマンション経営をするサラリーマン大家が急増しています。サラリーマン属性を使って、融資を受けて購入し、節税や安定収入につながるのが大きなメリットでしょう。

 

不動産投資で「失敗」を抑えるやり方は、いろいろありますね。以下はその例です。

 

  • 現金で買う
  • 小さい物件でスタートする
  • 高利回りを買う
  • 木造物件を買う(RCは買わない)
  • 土地値かそれ以下で購入する

 

とりわけ最後の「土地値かそれ以下で購入する」というのは、出口の面では非常に安心感がありますね。

 

というわけで今回は、土地値の不動産投資について解説したいと思います。

土地値物件の定義とは?

土地値とは

 

そもそも不動産投資における「土地値」とは、相続税路線価を指すことが多いですね。

 

相続税路線価とは?
相続税路線価とは、国税庁が定めた税金算出のために定めた土地価格のことです。俗にいう「路線価」がこれです。

 

なお地価公示価格、固定資産税評価額も物件評価に用いられることがあります。地価公示価格の8掛けが相続税路線価、7掛けが固定資産税路線価、と一般的には言われたりしますね。

 

しかし、必ずしもこの通りになっていないため、一つの目安と考えると良いでしょう。

 

積算価格と実勢価格について

金融機関においては、物件を評価する際に「積算価格」を用います。

 

これは先ほどの路線価・公示価格をもとに土地の値段を算出し、建物については再度新築した場合の費用から築年数分の減価を差し引いて、この2つを合算すると「積算価格」ということになります。

 

大切なポイントは、一般的に都心部は積算価格<実勢価格となり、地方に行くと積算価格>実勢価格となることは知っておくべき基礎知識ですね。

 

レバレッジをかけて不動産を購入していきたい投資家さんは、この積算価格と実勢価格の関係は理解しておきましょう。

 

「RC高速投資法」が隆盛を極めた時代

2017年くらいまでは4.5%の高金利で、地方で1棟RCマンションを複数購入する投資が流行っていましたね。

 

俗にいう「RC高速投資法」というやつです。

 

これは地方だと実勢価格よりも積算価格が高くなるため、金融機関の評価が出やすくなり、結果フルローンで融資が付きやすいことを利用した投資法でした。

 

しかし割高でも融資期間を延ばすと、見た目のCFは出ますが残債は減らないため、売却時にツケを回しているだけの投資になりがちです。

 

その後、低金利で借り換えできた投資家は助かりましたが、スルガ事件により融資が閉まった現在では、こういう買い方をする人は少なくなっています。

 

3〜4年前まではこういう投資家さんが多かったですが、今はみなさん勉強されていますからね。

 

少し話が脱線しましたが、まずは土地値・実勢価格・積算価格の3つと、こういったマーケとの歴史背景を押さえておいて損はないでしょう。

 

土地値投資のデメリットと対策

デメリットと対策

 

土地値物件の良さは、値下がりのリスクが少ないため、売却がしやすいことです。

 

株式投資で言う、下値限定ですね。ある一定レベルより下がらないので、買い向かう際の”安心感”につながります。

 

一方で、優良な立地の土地値物件は、築40年以上と古すぎたり、利回りが一桁台などキャッシュフローがあまり出ないという問題が起こります。

 

収益性がイマイチで、拡大スピードが遅くなるのが土地値投資の最大のデメリットと言えます。

 

そんな中、、、

 

私の所有物件は、できるだけ残債=固定資産税評価額とほぼ土地値投資ながら、平均利回りは17%程度で、キャッシュフローがしっかり出るようにしています。

 

ざっと以下一覧のとおりです。

 

所有物件一覧

 

もちろん、固定資産税評価額(約7300万円)が残債(約6600万円)を上回っているからといって、その価格で売却できる保証はどこにもありません。

 

あくまで、固定資産税評価額は、金融機関目線の評価に近いからですね。そこで私の場合は、「再販可能額」を一番のポイントに置いています。

 

Point!
「再販可能額」は、年間家賃収入を利回り15%で割り戻しています。つまり利回り15%で売り出すと、どれくらいの売却価格になるか?を示した価格です。

 

私の所有物件は地方都市なので、利回り15%を出口価格としているわけですね。その前提だと再販可能額は9680万円になり、残債を大きく上回ります。

 

もちろん、利回り15%で売れなかったらどうするのか?家賃が下がると再販可能額も下がるのでは?と考えるのであれば、より厳しいシミュレーションも必要になりますね。

 

ですから、あくまで一つの指標として捉えています。

 

キャッシュフローがしっかり出る物件で安全な投資をしようとすると、自然と地方エリアの物件を買い増して行った、というのがペリカンの投資法なのだと総括しています。

 

土地値投資のデメリットは、都心部だと利回りが落ちることですが、それは地方エリアを攻めることで、十分なキャッシュフローと出口戦略の両方のバランスを取っているということです。

 

地方を攻めるからには、需給バランスの調査や、競争力のない物件を買わないといった点が最重要になります。ここが甘いと、運営や出口に苦労しますからね。

おわりに:地方エリアを攻めるときの注意点

地方エリア

 

以上より、地方エリアのほうが利回りとキャッシュフローの観点だけだと、一見大儲けできるかのように錯覚します。

 

しかし、キャッシュフロー追求型で行く時に、ボロ物件を低家賃で貸すという手法は、あまりオススメしません。

 

理由について、先日ツイートしました。

 

土地値500万の戸建てを500万で買うのと、土地値50万の戸建てを50万で買うのは、本質的にぜんぜん違う。なぜなら前者は出口がある場合が多いですが、後者は出口がない可能性も考えておく必要があるからです。とくに低家賃ターゲットの物件は、修繕費と税金で利益が吹っ飛ばないよう注意しましょう。

 

低家賃物件の場合、「修繕費用」が一つの大きなリスクになります。

 

たとえ高利回りでも、大きな修繕が発生すると、貯めたキャッシュフローが一気に食われるからです。

 

都心部のアパートも田舎のアパートも、内装リフォームや外壁塗装にかかるコストはほぼ変わりません。

 

家賃が高ければ、こうした修繕費は短期間に回収できますが、激安の家賃だと回収に何年も掛かってしまう場合があります。

 

賃貸経営は、まさしく長期戦です。

 

購入時の利回りだけでなく、保有期間全体でのキャッシュフローや収益性を考えながら、物件を取得していくようにしましょう。

 

以下、関連記事です。

 

▼ボロ戸建て投資が流行っています。リスクと手間については一考しておきましょう。

 

▼キャッシュフロー100万円の道程について私見をまとめています。

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