新築アパート3号体験記:間取り改良編

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

前回の記事「新築アパート3号体験記:土地買い付け編」では、4棟目土地から新築用地を見つけた話を書きました。ただ土地は見つかったものの、前回の新築2号のようにお部屋を狭小にしたり駐車場を小さくすると客付けに響きます。

 

というわけで第3話は「間取り改良編」です。

 

  1. 今後の戦略を考える編
  2. 土地買い付け編
  3. 間取り改良編(←本記事)
  4. 完成&客付け編

 

けっきょく間取りというのは、狭くすればするほど建築費が下がり、利回りがUPします。

 

単純な話、同じ1LDKを作るなら40㎡よりも30㎡にしたほうが、想定家賃がそんなに変わらなければ利回りは30㎡のほうが高くなります。なぜなら30㎡のほうが建築費が安いからですね。

 

これをたかが10㎡(約3坪)と侮るなかれ!坪単価60万の建築会社なら180万円、坪単価70万の会社なら210万円も建築費が変わってしまうんですよね。1部屋でこれはめちゃめちゃ大きいですよね。

 

ということで今回は間取りをゼロから作り直すことにしました。

間取りの改善ポイントを洗い出そう!

まずは前回の新築2号の間取りを振り返ってみましょう。こちらです↓

 

 

これはリビング8帖・寝室4帖で、内見者から難色を示されることがありました。よく賃貸仲介さんとお話するのですが、やはり地方エリアだと夫婦やカップルにはこのような狭小1LDKは好まれないそうです。

 

カップル層は、リビングや寝室がもう少し広めを好むということで、やはり万人受けするのはリビング10帖・寝室5帖が最低限ではないかと考えています。リビング8帖でも良いのですが、それだと対面キッチンにするには手狭なため、リビング10帖はなんとか確保したいところです。

 

他にも水回りやガレージのサイズでやりたいことが出てきて、今回は以下の3点に絞って改善することにしました。

 

  1. 対面キッチン&寝室を広くする
  2. お風呂1216→1616(1坪)に拡張
  3. 車庫サイズを左右で変更

 

住居(レジデンス)として見るのであれば、1と2は住み心地に直結する部分になります。水回りは前回お風呂を1216サイズにして、住んでいる人にも狭いと言われたことがありますので、今回は1616(1坪サイズ)にバージョンアップします。

 

そして上記3は、ガレージハウスとして十分なサイズの車庫を備えておくという点ですね。とくに私が作っているのは2世帯のガレージハウスなので、右世帯と左世帯で幅を変えなければいけません。

 

 

なぜなら最近の車はベンツとかBMWなど外車に乗っている人も、ほとんどが右ハンドルです(昔は左ハンドル乗っている人も多かったですけど最近は9割以上は右ハンドルです)。すると上記のように青いスペースのところは運転席のドアが開くように作っておかないといけません。

 

具体的には、下の世帯は界壁との間にスペースがあるので良いですが、上の世帯は青いスペースをしっかり確保できるように建物の横幅を広げておかないと、最悪は運転席側のドアが開かず、車の乗り降りしにくくなるのです。

 

すると、ガレージ横幅をただ広げればいいんでしょ?と大半の人が思うことでしょう。

 

しかし、ガレージ幅を広げると当たり前ですが2階の居住スペースも大きくなるので、建築費が一気に跳ね上がるんですよね。(単純な話、1階を0.5坪(たった畳1帖分)広げると、2階も0.5坪大きくなり、建物としては1坪分大きくなり、それだけで60万くらいは変わってきます)

 

あとはガレージ入口に電動シャッターがあるのですが、ガレージ内の横幅より狭い開口幅になるので、車の進入角度と停車位置を予測して、それでもドアが問題なく開くかどうかを見極める必要がありますね。

 

あと運転席はOKでも、助手席側は大丈夫か?奥行きが問題ないか?、など確認点がいっぱいあります。

 

無尽蔵に建築費を掛けられるなら建物をどんどん大きくすれば良いですが、予算も敷地面積も限られているので、最小限の予算でしっかりと使いやすさを確保していかないと、利回りがすごい下がります。

 

ちょっとマニアックな話になっちゃいましたがそんな感じで、私は毎回間取りは自分で作って工務店さんに投げて図面を起こしてもらい、できあがった平面図をもとに微調整を繰り返して、最終的な確認申請図面を作っています。

 

土地のサイズや奥行きが毎回違うので、それに合わせて間取りやサイズを変えていく必要がどうしてもありますね。

 

絶対に妥協できない部分ですが、初心者の人はやはり余裕をもって建てると、どうしてもガレージハウスの建築費は大きくなりがちです。ガレージハウス投資をしようと思う人は注意していただきたいですね。

土地に投資するか?建物に投資するか?

 

最近は土地値が7〜8割を占める中古アパートが人気だそうです。建物はすでに築30〜40年でも、土地実勢が高い物件であれば積算評価が高くなり、融資審査での頭金を最小限に抑えることができるからです。

 

たしかに融資が付かないと買えませんからね。アパートローンで融資が付きやすい物件に人気が集まるのも無理はありません。東京の一等地でボロアパートを買って再生している人は、ほとんどがそういった目線でしょう。

 

最後には「土地が残る」ということを心の拠り所にしているのです。

 

一方で私のやっている新築投資は、総工費内訳でいうと土地値3割・建物7割みたいな感じです。

 

こういう物件をどんどん建てていると、だいたい都心部の投資家さんから「建物にそんなにお金かけてどうするの?建物は経年劣化して最後は無価値になるよ」と言われます。たしかに、建物はだんだんすり減っていくから、土地に投資しろというのは一定の説得力はあります。

 

しかし、私は建物が朽ち果てるなんてことは当面はありえないと思っています。昔の木造住宅だったら、30年40年も経てば痛みが激しく、建築基準法もいまと違いますから耐震性も低いでしょう。しかし、この令和の時代に建てた新築木造アパートはそれなりに頑丈です。

 

もちろん新築で建てても住設系のトレンドはありますから、キッチンや洗面台などは入れ替えが必要になっていくかもしれませんが、建物自体は50年くらいは余裕で使えると思っています。50年後といえば、いまの現役世代の人は80代や90代になる年です。そのとき自分が生きているかどうか、もはや微妙な年齢です。

 

もしかしたら50年も持ち続ける以前に売ることを考える時期が来るかもしれません。なので一番気にすべきは、建物の経年劣化ではなく、そのエリアの「賃貸需要や家賃相場」なのだと考えています。

 

しかしここについても基本的に融資期間は20〜30年くらいのものです。建物が使えなくなる前に、ローンは完済するはずですから、賃貸需要がだんだん減っても、家賃を落とせばローン完済後は返済が無い分、そこまで無理な賃貸経営になるとは思えません(もちろん20年後30年後に人口が半減して、借りる人が居なくなるマーケットは厳しいとは思いますけども)。

 

そんなことを考えていると、自分の人生が長くて80年くらいだとしたら、土地値9割あるけどボロボロで耐震性が低い物件を日々修繕や大地震に怯えながら運営するより、土地値はそんなに高くないけどゼロから企画して理想の賃貸住宅を建てられる地方エリアの新築のほうが、「不動産を楽しむ」とか「安心して暮らす」という点ではアリだという結論にたどり着きました。

 

またサラリーマン大家というコトバが市民権を得て、多くの不動産投資家が好立地の物件を買い漁るようになってきているため、好立地の物件は熾烈な競争を勝ち抜かないと買えません。そうやって晴れて買えた結果、その後いろいろな築古トラブルやリスクを受け入れて生きていくのは、手榴弾を抱えて走っているかのようにも感じます。

 

もうこの先の議論は、好き好きの世界になるので、意見が真っ二つに分かれるところですが、私はそんな考えで地方での土地から新築アパート投資を推し進めているわけですね。もちろん、都心一等地に新築RCを建てられるなら資産性としては一番良いのですが、「人生を楽しく安心して暮らす」ことを第一に考えると、エリアや資産性は一つの要素にすぎないのです。

 

まあ結論、私は「地主」になりたいわけではないのだなと思います。80歳になって資産が10億になってもしょうがなくて、そのプロセスをどう楽しんで、豊かな人生を送るか。そのための手段として不動産がある、という位置づけですね。

 

というわけで長くなりましたが、第3話:間取り改良編でした。次回は3棟目アパートの体験記最終章、「完成&客付け編」をお送りいたします。お楽しみに♪

 

以下、関連記事です。

 

▼利回り星人となると大切なものを見失うことがありますね。

 

▼区分マンション投資について雑感です。

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