築古戸建ての利益確定と新築アパートへのシフトについて

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。

 

このたび戸建てを1件売却しました。市街化区域でパリッとした物件でしたが、ペリカンが2018年に新設法人ではじめて購入した物件だったので思い入れがあった物件でもあります。融資は、公庫さんで創業融資で付けてもらいました。

 

今回は、本物件を売却した理由と、今後の投資展開について想いを馳せてみたいと思います。

戸建てのスペックと5年間の家賃収入について

物件のスペックは以下のとおり。

 

  • 物件種別:戸建て
  • エリア:千葉県の郊外(人口13万人の町)
  • 築年数:築34年
  • 土地面積:195㎡
  • 建物面積:125㎡
  • 購入価格:550万円

 

当時の売り出し価格はポータルサイトで730万円でしたが、なかなか売れずに残っていたような感じでした。おそらく室内に痛みやヤニ汚れがけっこうあったのと、125㎡と床面積が広くリフォーム費も高くなるため敬遠されていたのかもしれませんね。

 

購入当時のエピソードとリフォーム内容について以下の記事にて公開しています。よかったら御覧ください。

(参考)法人×公庫の新創業融資を活用した戸建て不動産投資【利回り15.9%】

 

本物件は、土地値だけで480万くらいある物件でした。当時は戸建て投資で利回り15%を購入基準にしていたので、逆算して550万円での指値をして、後日ご縁あって購入させていただくことになりました。

 

リフォーム後に募集したらすぐに入居者が決定。5年間、同じ方がずっと住んでくれて、最後はマイホーム購入されるということで、今年9月末で退去となりました。

 

ざっと家賃収入からローン返済を引いて、5年間で約270万円の手残りインカムを稼いでくれました。雨漏り、シロアリ、ネズミ、台風被害などトラブルもたくさんありましたが私の経験値を飛躍的に高めてくれた物件でもあります。

売却を決断した理由(キャピタルゲインの威力について)

 

まだ築34年ですので退去後リフォームして貸すこともできましたが、そうするとリフォーム費がまた50〜100万掛かり、入居が付いてもリフォーム費の回収から再スタートになってしまいます。

 

それよりは高く売れるうちに売却し、入ってくる現金で新築アパートを建てるほうがレバレッジが効くだろうと考えました。

 

もちろん実際いくらで売れるのか分からないのですが、大手仲介で査定してもらったら807万円という査定結果でした。しかしポータルサイトで見ると、そのエリアで築30年台で1000万アンダーの価格帯の物件は無かったので、900万円台で出せばそこそこ反響があるんじゃないかと私は考えたのです。

 

残債も300万円ほどまで減っているので、もし900万円台で売れると、手元に600万円弱のキャッシュが戻ってきます。

 

さっそく950万で売り出したところ、予想通りすぐに内見が数組入りました。最終的には、そのうちの一組が満額950万でお申込みを入れてくださいました。しかも現金購入で、売り出しスタートからたった2週間でした。お申込み頂いた方は3人家族で、少しだけリフォームしてマイホームとして住むということでした。

 

今回の売却のポイントは500万円台で買った物件を900万円台で売れたということですが、これは市街化区域で実需のニーズが旺盛な立地だったからこそ実現したことです。調整区域の戸建てでは、この値幅で売るのはかなり困難でしょう。

 

戸建てを投資だと、家賃収入(7万円)ーローン返済(2.5万円)の差額である毎月4.5万円のキャッシュフローにしかなりません。ですが売却益500〜600万円を頭金にして新築アパートを建てると家賃収入(30万円)ーローン返済(14万円)で毎月16万円のキャッシュフローにUPするのですから、断然後者を採用したほうが良いでしょう。

 

戸建て投資だと利回り15%で運営できて、新築アパートにシフトすると利回りは良くて9%程度と利回りは下がってしまいますが、投資は「率」ではなく「金額」で見ないといけないのですよね。

 

売却しないと規模拡大できないとはよく言われることではありますが、まさにその通りで「キャピタルゲインが大きく取れそうなら売却」というのは、一定の説得力がありますね。

新築が建てられない時代に突入しつつある

 

ここ5〜10年程度で不動産価格は一気に高騰してきました。土地が高くなったことに加えて、ウッドショックで建築費まで上昇し、きつい展開になったのは記憶に新しいところです。

 

その後、物流は改善しウッドショックによる木材価格高騰は落ち着きましたが、今度はインフレによる物価高で建築資材や住宅設備が高騰しました。最近は人手不足により人件費上昇で、もはや建築費が安くなる兆候は見えません。

 

昔は東京都心でもファミリー向けマンションが6000〜7000万円でも買えた時代がありましたが、いまや1億以上する時代になりました。東京で一戸建てを建てたい人はかなり都心から離れた地方に移住しないと難しくなっています。日本は今後もインフレや人手不足(職人不足)などがかなり深刻ですので、新築を建てるのはどんどんハードルが上がっていくと思われます。

 

実際、ペリカンの手掛ける土地から新築アパートも、利回りでいうと1棟目は10%超、2棟目は9.6%、3棟目は9.1%と徐々に下がっています。そして、いよいよ先日買い付けを入れた4棟目案件は8.5%〜9%弱になる水準です。外壁材、内装材、住宅設備、エクステリア費用、すべてが上がっているのでしょうがない面はありますがかなり厳しい情勢です。

 

私が新築アパートを建てるエリアは人口10万人〜20万人の地方都市ですが、今後どこまで利回りが落ちたら土地から新築をやめるのかはよく考えます。おそらく頭金を多めに入れて8%台前半まではやるかもしれませんが、さすがに7%台に突入したら取り組み自体が厳しくなっていくでしょう(そうならないよう土地仕入れを頑張らなければいけませんが)。

 

5年前に550万で買った前述の戸建ても、当時は「ちょっと高い値段で買っちゃったかな〜」と思ったのですが、いま思えば「あの時買っておいて良かったな〜」というのが正直な感想です。それが600万円弱のキャピタルゲインに繋がったのですからね。

 

これと同じように、これから建てる新築アパートも利回り9%から8%台に食い込み始めており「建築費高いな〜」と思っているのですが、これも5年後10年後とかには「あの時、新築建てておいて良かったな〜」になるのではないかなと楽観的に予想しています(笑)

 

もちろんこの予想が当たるかハズレるかは神のみぞ知ることですが、新築アパートにも元金返済とキャッシュフローがあります。空室率が極端に上がらずローン返済が着実に進んでいくのであれば、最終的にはプラスで終えるのは難しくないでしょう。

 

あとは融資レバレッジで新築アパートを建てることの最大のリスクとして「金利上昇」と「出口戦略」ですね。その点は頭金をしっかり2〜3割ほど入れたり、短期返済(融資期間20年前後)にして早めに借金を減らしていくことで、リスクに対応していきたいと思います。

 

努力できることにフォーカスし、ひきつづき賃貸経営を存分に楽しんでいきたいと思います!

 

以下、関連記事です。

 

▼新築アパートの出口戦略について解説しています。

 

▼家賃3万円未満の中古アパート経営が厳しい話です。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事