こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。地方で大家さんをしつつ、自由に生きています。
小規模事業者向けの融資といえば「日本政策金融公庫」ですね。
どんな属性の人にも門戸が開かれており、審査も柔軟にしてくれます。これから事業開始する方で、とくに少額の借入をするにはピッタリの金融機関です。
そんな公庫ですが「マル経融資」という制度がありますが、あまり活用している方は少ないです。私のまわりの大家さんでも活用している人は、そこまで多くありません。
ただ実際には、大家業にも十分活用することができます!
今回、このマル経融資について商工会議所に電話でいろいろヒアリングしてきましたのでご紹介します。公庫の普通貸付との違いや申込条件など、詳しく解説していきますね。
※5分程度で読めますので、ぜひ今後の融資活用の参考にしてくださいね
マル経融資とは?公庫の普通貸付とどう違う?
正式名称は、小規模事業者経営改善資金、という名称です。
なんだか難しい名前ですが「経営改善資金」の頭文字を取って、「◯+頭文字」でマル経と呼ばれています。これが名前の由来ですね。
マル経融資の2大メリットはこちら。
- 金利が1.4%〜1.5%前後と「無担保融資」としては好条件!
- 公庫の枠を使い切っていても申込みが可能!
貸付限度額は2000万以内です。2024年現在の最新金利では1.4%〜1.5%くらいになりました。以前の金利(1.1〜1.2%前後)より少し高くなりましたが、それでも無担保・無保証の融資としては最強レベルに低水準となっています。
固定金利なので、一度借りた後は金利上昇などがない点も安心ですね。今後も金利上昇がある可能性がありますので、早めに借りたもの勝ちだと家ます。融資期間ですが、運転資金7年・設備資金10年が最長になります。
※ちなみに私がやっている不動産賃貸業では、不動産購入またはリフォーム資金になりますので「設備資金」扱いです。つまり、最長10年での借入が可能ということになります。
運転資金とは商品の仕入資金、従業員の給与・ボーナスの支払いなど資金繰り系の資金を指します。一方、設備資金とは車両購入、お店の新築・増改築・リフォーム資金、機械設備の購入などを指します。
公庫の普通貸付は4800万円が上限です。また新規開業資金制度や、女性、若者/シニア起業家支援資金なども7200万円が上限となっています。
上記の公庫の貸し付け枠をすべて使い切っていても、マル経融資の申込みが可能なのは特筆すべき点ですね。
ちなみに、不動産投資だと個人と法人両方お持ちの方もいると思いますが、個人で2000万、法人で2000万とそれぞれでマル経融資の借り入れが可能なことも朗報かと思います。
申込金額が1,500万円を超える場合は、別途事業計画書の提出が必要になります。
マル経融資の利用条件・申込方法
利用条件は3つです。
- 6ヶ月以上、商工会議所の会員であること
- エリア内で1年以上事業を営んでいること
- 従業員が20名以下(商業・サービス業は5人以下)の法人または個人事業主
最初の「6ヶ月以上、商工会議所の会員であること」が一番のポイントですね。会員になるには、最寄りの商工会議所に印鑑を持参して、お申し込み書に記入すればOKです!
※地方の商工会議所だと担当者が不在のこともあります。また入会申し込みの際には、事業内容なども聞かれます。事前にアポイントを取ってから、伺うようにしましょう。
なお、入会には会費が必要です。商工会議所により費用が異なりますが、おおよそ入会一時金が1000円〜3000円、年会費が1万円〜15,000円程度です。
(参考):東京商工会議所
(参考):大阪商工会議所
申込時の必要書類をざっと挙げておきます。
- 小規模事業者経営改善資金借入推薦依頼書
- 前期と前々期の青(白)色申告決算書のコピー
- 前期と前々期の確定申告書のコピー
- 所得税、事業税、住民税の領収書または納税証明書1通(1年分)
- 許認可を必要としている業種は許認可証
- 見積書(設備資金申込の場合)
- 事業計画書(申込金額1500万超の場合のみ・所定様式アリ)
くわえて法人の場合には、「前期の決算後6ヶ月以上経過している場合は、最近の試算表コピー」と「会社の登記簿謄本1通」の2つが必要になります。
おわりに:マル経融資の注意点
公庫の普通貸付けであれば、申込者が公庫へ借入申込みをしますね。
一方でマル経融資は、商工会議所の経営指導員が書類作成を行います。したがって、経営指導員に事業計画に納得してもらうことが一番大切です。
あくまで商工会議所の推薦ということですね。
また、商工会議所が書類作成し推薦状を付けて公庫に申込みするので、承認までは時間が掛かります。ネット上でも見ても、1ヶ月半くらい掛かったという人が多いようですね。
なお繰り返しになりますが、マル経融資は期間7〜10年が最長ということです。公庫に直接申し込みすると、15年前後出たりすることもありますから、その点が一番の注意点かと思います。
ただし、わざわざ商工会議所に入会したのに、期間7〜10年では事業収支が合わないようでは意味がありませんね。
つまり借入と返済計画のバランスに注意して活用したい融資制度ということになります。リフォーム資金や運転資金など、短期的な資金需要に適していると言えるでしょう。
私も昨年、マル経融資で戸建賃貸を1軒購入しました。詳しくは「マル経融資で購入!資産性重視の戸建て投資のリフォーム実践記」をご覧いただければと思いますが、簡単に言うと500万円ほど物件購入費に対して、法人融資をいただきました。
ぜひ皆さんも機会があれば、マル経融資の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
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