供給過剰エリアにおける空室対策の成功例

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。今回は、私が所有する群馬県のアパートの空室対策の事例をお送りしたいと思います。

 

このアパートは2016年に購入しました。購入後も入退去はちょこちょこありましたが、ほぼ満室状態が続いています。もともと満室時の利回りが14%くらいで購入しており、1K×10世帯というスペックです。

 

アパートの所在地は、人口20万人くらいで市町村なので群馬ではこれでも大きい方です(笑)。周辺には工場も多く、ペルー人・ブラジル人・スリランカ人など、外国人労働者も多い特徴がありますね。

 

これだけ聞くと賃貸マーケットとしては優良エリアに聞こえますが、実はかなりの供給過剰エリアになっています。

 

特に、単身向けのワンルーム・1Kタイプが飽和しており、SUUMOでは1万円台〜2万円台のお部屋がたくさんありますので、客付けの難易度はかなり高いです。もちろん需要はありますが、供給が圧倒的に上回っている状況です。

 

私のアパートでは今年の1月、2月、5月にそれぞれ入退去がありました。1、2月は難なく客付けができたものの、5月退去は繁忙期を外したこともあり、お申込みまで少し時間が掛かりました。

 

今回は、この5月退去のお部屋のリフォームと賃貸募集について、私が工夫したことを書いてみたいと思います。

退去後はカビだらけの汚部屋

このお部屋は、10年位住んでいたお部屋で、入居者さんがゴミを溜め込む方だったので、退去後の原状回復もかなり大変でした。

 

退去直後はこんな感じ。

 

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すべての居室フローリングがカビだらけでした。入居中から、ベランダのゴミの量が尋常ではなかったので、最初はお部屋に入るのも怖かったのですが、案の定という感じでした。

 

地方アパートで単身のお部屋だと汚く使う人(特に男性)はよくいますが、ここまでの状況は私も経験したことがありません。お風呂やクロスがカビだらけというのはよくありますが、クッションフロアまでカビだらけなのは初めてです。

 

しかし、私も事前にセルフリフォーム用品をすべて買ってしまっていたので、ここまで来ると、自力でリフォームするしかありません。

 

結局は、これも一つの経験と腹を括って、すべてセルフリフォームし、クリーニングまで実施しました。

リフォーム後のお部屋

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クロスの下地が悪すぎたので、アクセントクロスは上張りです。次回は張り替え予定ですが、今回は上張りで省エネ対応です。

 

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白クロスは、すべてペンキ塗装です。押入れの引き戸のクロスもすべて塗装しています。塗装は、マスキングと養生さえきちんとやっていれば、だれでもできると思います。

 

クロスが柄物で凹凸があると、ペンキのノリが悪いので手間が掛かりますが、だいたいのクロスは大丈夫でしょう。

 

毎回、クロス張替えだとコスト&労力が大きくなる場合は、塗装はおすすめです。特に、塗装面積が少ない単身系アパートだと相性が良いのではないかと思います。

 

戸建て、または2LDK以上のファミリータイプのお部屋をすべてセルフ塗装するのは現実的ではありませんね。

 

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お風呂はいつものダイノック施工です。材料が足りなくなったので、ジョイントするのが若干、手間取りました。あとはシャワーホース&フックを新調しています。

 

お風呂とトイレだけはかなりキレイだったので助かりました。

 

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キッチンの背面クロス(黄色の部分)はアクセントクロスに見えますが、これも塗装です。

 

いつもはイマジンウォールペイントを使うのですが、今回はJ COLOUR(ジェイ・カラー)というペンキです。

 

クロス塗装用のペンキで、J COLOURは安くてコスパが良いのでおすすめです。ペンキの見本帳も送ってくれるので選ぶのも楽しいですね。

 

窓枠は白で塗装して、床のCFはあまりにもカビが酷かったので、現地のホームセンターで材料調達して、張替えしました。

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エアコン、給湯器、モニター付きドアホンは、プロパンガス会社との貸与契約で取り付けて頂きました。この3つは賃貸では、もはや必須だと考えています。

 

よく単身向けだと追い焚きはいらないという人はいますが、混合栓でなくても、お湯が常に一定温度で出るのはありがたいものです。私は必ず付けるようにしています。

供給過剰エリアの空室対策

5月中旬にリフォームが完了し、6月末にお申し込みが入りました。その間、1ヶ月半くらいでしたので、早いように見えますが、それなりに試行錯誤しています。

 

このお部屋はリフォーム前から募集していたので、退去直後の汚部屋状態で1件内見が入ったものの、あの汚部屋状態でしたので、もちろん決まりませんでした。

 

リフォーム前に、内見を入れてしまったのは完全に失敗でしたね。

 

このエリアでの戦い方ですが、単身で1万円代後半〜お部屋がある供給過剰エリアです。当然、3万円〜4万円くらいで出すと、ポータルでは埋もれてしまいます。

 

したがって、問い合わせもギリギリ狙える割安な家賃設定をしながらも、本丸は店舗での客付け・誘導で内見を入れることです

 

、、、ということで仲介店の店舗数(募集の間口を広げること)が一番重要になってくると考えました。

 

以下の順番で内見促進を進めていきました。

  1. 写真を再撮影してクオリティの良いものを掲載する
  2. 客付け会社を増やす(2社→4社へ増やす)
  3. 客付け会社をさらに増やす(4社→11社へ増やす)

 

まず写真を大家自らで撮影するのは当たり前になりつつあります。募集時のスタンダートな写真(クオリティの高いもの)を用意しておけば、次回空室が出たときに転用できます。これが第一段階です。

 

次に、客付け会社ですが、最初は管理会社+客付け専門の会社の2社だけでの募集でした。そこから、大手系(ミ◯ミ◯、エ◯ブ◯、ア◯マン◯ョップ、◯タット◯ウス)はすべて押さえておこうと、媒介契約を4社にしました。これが第二段階です。

 

これで2週間ほど様子を見ましたが、反響が1件くらいしかありません。そこで追加対策として、地場の不動産会社に電話&メール営業して、7社ほど増やしトータル11社に増やしました。

 

この第3段階までやって、10日くらい経っても反響は出ませんでした。しかし、たとえ反響が取れない場合でも、時期的な要因があることもありますが、店舗で紹介してもらえる回数が増えていれば、ポータルの閲覧数は増えるはずですよね。

 

私は、問い合わせが全然ない場合は、ポータルの閲覧数を重視しています。特に、SUUMOのスマホ版とスモッカは、閲覧数をざっくり把握できるので重宝しています。

 

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こうして客付け会社を11社まで一気に増やして2週間くらい経過した頃、SUUMOでの閲覧数が伸びていることを確認できました。これによって問い合わせも増えている可能性があります。

 

まもなくして、管理会社からお申し込みが入りました。

 

追加の対策として、ステージング、入居者プレゼント、仲介会社の訪問営業(お土産持参)などを考えていましたが、その前にお申し込みが入ったので、これらは実施しないで済みました。

 

これだけ聞くと、最初から管理会社だけの募集で良かった可能性がありますが、間口を広げておくという意味では、将来的な客付けの幅が広がります。

 

特に電話でヒアリングする中で感じたのが、各社の客付けチャネルの違いです。

 

法人需要を積極的に対応している不動産会社もあれば、学生に強い不動産会社、駅チカで飛び込みのお客さんも見込める不動産会社など、各社の営業チャネルはそれぞれ特色がありました。

 

賃貸はネットの反響が90%以上の時代になりましたが、それでも飛び込み客や店舗内の誘導というのはゼロではありません。

 

今回は不発でしたが、いろいろな仲介店と関係性を築いておけば、将来どこかで内見を入れてもらえる可能性もあります。 

地方投資の生存戦略

地方で不動産投資をするなら、高利回りでないと難しいというのが、現時点での私の考えです。

 

なぜなら、現在のマーケットで、高利回りの収益アパートというのは、だいたい供給過剰エリアだったり、需要が極端に低いエリアであることも少なくないからです。

 

利回りが圧倒的に高ければ、年間稼働率が80〜90%とイマイチでも、十分に利益を出すことができます。例えば、満室利回り20%なら8割しか稼働しなくても、年間利回りは16%になりますね。

 

だからこそ賃貸経営は、利回り×稼働率という方程式を忘れてはいけないということです。

 

一方で、利回りが10%くらいだと、空室が長引いたり修繕費が大きくなると、保有期間中はキャッシュフローが苦しくなることもあります。

 

そういった利回りが中途半端な物件投資する場合は、土地値比率が高く、繰上返済してローン完済するほうがベターでしょう。所有期間中は儲かりませんが、完済すれば一気にキャッシュが潤沢になり、次の物件の共同担保にすることが可能です。

 

ただしその場合、ローン完済して減価償却も切れていくと、税金が多額になることは覚悟しなければいけませんね。

 

投資手法は色々あり、絶対的な正解はありませんが、自分がやっている投資がどういうものなのか、よく理解しておくということに尽きると思います。

 

以下、関連記事です。

 

▼空室対策でペリカンが活用しているグッズの紹介です。意外なものが効果が出ることがあります。

 

▼5年でサラリーマンをリタイアする不動産投資法について実体験をもとに解説しています。

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