不動産投資のベストな売却タイミング(出口戦略)とは?

こんにちは。ペリカン(@Pelican0825)です。アパートと戸建てを11棟所有し、2棟ほど不動産の売却経験があります。

 

「不動産投資」は、毎月の家賃収入を安定的に得られることを狙う投資です。

 

建物が古くなると通常は価値が下がったり、住む人が少なくなって家賃収入が入らなくなってきますから、どこかの段階で売却するわけですが、これが「利益確定」になります。

 

では、そこで利益確定として売却はいつがベストなのか?というのは、賃貸経営をする上でとても重要です。

 

例えば、500万円で買った不動産を、所有期間中に300万円の家賃収入を得られたら素晴らしいことですが、売る時に200万円でしか売れなかったら、家賃収入300万+売却損▲300万で、トータルでプラマイゼロになってしまいます。

 

これでは何のための投資だったのか疑問が残りますよね。

 

逆に500万円で買った不動産が、数年後に500万円で売れたり、はたまた600万円で売れれば、そこに所有期間中に得た家賃収入(キャッシュフロー)も入れれば、キャピタルゲインとインカムゲインの両取りができるわけです。

 

しかしながら世の中そんなにうまくいきませんから不動産というのは、基本は売却時には、購入時より値段が下がることを前提にして、それでも所有期間中のインカム(家賃収入)で儲かるのか?を考えるべきでしょう。

 

では、当初の疑問になりますが、いつ売るのが最適なのか?このテーマについて詳しく解説していきます。

戸建でシミュレーション

私がやっている築古戸建ての収益シミュレーションを見てみます。

 

前提はこんな感じです。

 

  • 築30年の戸建てを購入
  • 価格は350万
  • 融資は15年、金利2%
  • リフォームは全額現金で支払い

 

すでに築30年経過していますのでけっこう古いですが、地方の戸建てならザラにあります。シミュレーション結果はこんな感じです。

 

シミュレーション

 

以下、解説しますが細かい数値の説明になりますので、ざっと読んで、何が問題になるのか俯瞰で理解してみてください。

まずは4年目まで(短期譲渡所得)

この表の見るべきは、一番下の累計CF(キャッシュフロー)+売却益です。これはこの時点で売った場合の、累計の家賃収入と、売却益(譲渡益)を表しています。

 

1年目は売上が少なく、広告費などもかかるので利益が出ませんが、2年目から利益が出始めます。3年目、4年目も順調に家賃収入が入りますが、この試算では5年目までに、築古不動産なので、外壁塗装修繕を入れています。これにより一時的に収益が悪化します。

 

ポイントは売却益(譲渡益)がいくらになるかです。ご存知の方も多いと思いますが、不動産というのは所有期間で税金が変わります。4年目までは、譲渡所得に対して39%の税金とけっこう高額ですが、5年目以降は20%になるので、利益が出やすくなります(←これは個人所有の場合です)

5年目以降(長期譲渡所得)がポイント

だから通常は、よっぽど安く買えなかぎり、短期の転売では利益が出にくい仕組みです。言い方を変えれば、、、不動産市場が転売市場にならないよう、このような税制になっているとも言えます。

 

この表をみるとやはり6期目で長期譲渡になったタイミングで、一番累計利益+売却益が大きくなることが分かります。その後はなだらかに上がっていきますが、大して良いペースで上がっているわけではありません。

 

そして築40年になる10年目以降にもなると、今度は売却価格がガクンっと下がり、土地値レベルになってしまいますので、どんどん薄利になります。

 

もちろん20年持ち続ければ、累計で500万近い利益になりますので、当初350万円で買った戸建てが元値以上稼げば万々歳ですが、5年目で利益250万稼ぐのに、20年持っても500万なら、如何に最初の5年間の投資効率が抜群に優れているか、を物語っています。

 

また築30年で購入するのではなく、築25年で購入するほうが、売却価格が落ちない期間が長くなり売却益が出やすいですし、その間の家賃収入もより長く得ることが可能です。

 

ゆえに、この投資の一番のポイントは

  1. できるだけ”築浅”で買う(CFの果実の長期化)
  2. 土地値の少しでも高い物件を買う(売却価格に影響)
  3. 6年目以降の長期譲渡所得のタイミングで売る(持ち続けても収益効率は下がる)

という3点がポイントになってきます。

まとめ

以上は机上でのシミュレーションに過ぎませんが、私の中ではだいぶスッキリしました。

 

不動産を朽ち果てる持てば一番収益が最大化するような気持ちになりますが、ちゃんと計算すれば、所有期間の後半の投資効率が落ちることは、いとも簡単に証明されるわけです。

 

しかし売却してしまえば、そこから得られるキャッシュフロー(家賃収入)という名の果実は無くなりますので、投資効率は落ちても、長期間所有して、その間ずっと安定収入を得続けるという判断もあるかと思います。そ

 

の方が精神的にも安定するという人もいますし、その収入で、他にもっと儲かることをやるというのも戦略なのです。

 

また今回は地方のボロ戸建てというのが前提での試算結果ですので、土地値の高い都市部だと結果は変わってきます。しかし都市部は今度は、利回りが低いという別の問題があります。実に、不動産というのは、奥が深いです。

 

最後に、、、、不動産の出口戦略(売却)について、より深く勉強したい人はこちらの書籍をおすすめします。

 

今まで出口戦略を本格的に扱っている、不動産投資の本は少なかったのですが、本書はまさに「筋トレ」が如く、売却のイメトレ(訓練)ができる良書です。

 

以下、関連記事です。

 

▼アパート売却でどれくらい税金(所得税・住民税・健康保険料)が上がるか解説しています。

 

▼利回りばかり追い求めて旧耐震(1981年以前)の物件に行き着きます。注意点とリスクの紹介です。

 

▼実家のマンションを売却した時の体験記です。

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